2025年度 九州・沖縄ブロック 登録販売者試験 過去問/Ⅶ 内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む)
内服アレルギー用薬及びその配合成分に関する以下の記述のうち、正しいものの組み合わせを下から一つ選びなさい。
ア プソイドエフェドリン塩酸塩が配合された鼻炎用内服薬を使用する人が、モノアミン酸化酵素阻害剤を処方されて治療を受けている場合、体内でのプソイドエフェドリンの代謝が妨げられて、副作用が現れやすくなる。
イ ヨウ化イソプロパミドは、皮膚や鼻粘膜の炎症を和らげることを目的として用いられる。
ウ サイシンは、ウマノスズクサ科のケイリンサイシン又はウスバサイシンの根及び根茎を基原とする生薬で、鼻閉への効果を期待して用いられる。
エ ベラドンナは、ナス科の草本で、葉や根には、交感神経系から放出されるアセチルコリンの働きを抑える作用を示すアルカロイドを含む。
1(ア、イ)
2(ア、ウ)
3(イ、エ)
4(ウ、エ)
正答
1(ア、イ) あなたの解答
2(ア、ウ) あなたの解答 正答
3(イ、エ) あなたの解答
4(ウ、エ) あなたの解答
解説
○ア 正しい。
×イ ヨウ化イソプロパミドは抗コリン成分の一つであり、鼻腔内の粘液分泌腺からの粘液分泌を抑えるとともに、鼻腔内の刺激を伝達する副交感神経系のはたらきを抑えて鼻汁分泌やくしゃみを抑える。なお、皮膚や鼻粘膜の炎症を和らげる抗炎症成分としては、グリチルリチン酸二カリウムやブロメラインなどが配合される。
○ウ 正しい。
×エ ベラドンナはナス科の草本で、その葉や根に、副交感神経系から放出されるアセチルコリンの働きを抑える作用を示すアルカロイドを含む。
基本事項
アドレナリン作動成分
・鼻炎用内服薬では、交感神経系を刺激して鼻粘膜の血管を収縮させることによって鼻粘膜の充血や腫れを和らげることを目的として、以下のアドレナリン作動成分が含まれることがある。 プソイドエフェドリン塩酸塩 フェニレフリン塩酸塩 メチルエフェドリン塩酸塩★
★ メチルエフェドリン塩酸塩は,血管収縮作用により,かゆみを鎮める効果を期待して,アレルギー用薬でも用いられることがある.
サイシン(細辛)
・ウマノスズクサ科のウスバサイシン又はケイリンサイシンの根及び根茎を基原とする生薬で、鎮痛、鎮咳、利尿等の作用を有するとされ、鼻閉への効果を期待して用いられる。
▼ サイシン

・ウスバサイシン又はケイリンサイシンの地上部には腎障害を引き起こすことが知られているアリストロキア酸が含まれている。
▼ ウスバサイシンの葉

抗コリン成分
・鼻炎用内服薬では、鼻腔内の粘液分泌腺からの粘液の分泌を抑えるとともに、鼻腔内の刺激を伝達する副交感神経系の働きを抑えることによって、鼻汁分泌やくしゃみを抑えることを目的として、以下の抗コリン成分が配合されることがある。
・ベラドンナ総アルカロイド
・ヨウ化イソプロパミド ※ベラドンナはナス科の草本で、その葉や根に、副交感神経系から放出されるアセチルコリンの働きを抑える作用を示すアルカロイドを含む。
内服アレルギー薬
・内服アレルギー用薬は、蕁麻疹(じんましん)や湿疹(しっしん)、かぶれ及びそれらに伴う皮膚のかゆみや鼻炎に用いられる内服薬の総称である。

▼ 内服アレルギー用薬と鼻炎用内服薬の違い
・内服アレルギー用薬は、ヒスタミンの働きを抑える作用を示す成分(抗ヒスタミン成分)を主体として配合されている。
・抗ヒスタミン成分に加えて、急性鼻炎、アレルギー性鼻炎又は副鼻腔炎による諸症状の緩和を目的として、鼻粘膜の充血や腫れを和らげる成分(アドレナリン作動成分)や鼻汁分泌やくしゃみを抑える成分(抗コリン成分)等を組み合わせて配合されたものを鼻炎用内服薬という。

相互作用

・また、アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む。)と鼻炎用点鼻薬のように、内服薬と外用薬でも同じ成分または同種の作用を有する成分が重複することもあり、それらは相互に影響し合わないとの誤った認識に基づいて、併用されることのないよう注意が必要である。

プソイドエフェドリン塩酸塩の注意点/副作用
・プソイドエフェドリン塩酸塩については、他のアドレナリン作動成分に比べて中枢神経系に対する作用が強く、副作用が現れることも多い。使用を避けるべき人もいるので、使用前に十分確認しておく必要がある。
▼ プソイドエフェドリン塩酸塩の注意点

【語句解説】モノアミン酸化酵素
・生体物質であるアドレナリンや医薬品として摂取されたプソイドエフェドリンなどの物質の代謝に関与する酵素。
・なお、プソイドエフェドリン塩酸塩、メチルエフェドリン塩酸塩については、依存性がある成分であり、長期間にわたって連用された場合、薬物依存につながるおそれがある。
アレルギーを生じるしくみ
[リンク挿入 アレルギー(過敏反応)を生じるしくみ]
アレルゲン
・どのような物質がアレルゲン(抗原)となってアレルギーを生じるかは、人によって異なり、複数の物質がアレルゲンとなることもある。主なアレルゲンは以下の通り。

・花粉は種類により飛散する時期が異なる。スギ、ヒノキ等の樹木は春が中心に、カモガヤ等のイネ科の草本では初夏に、ブタクサやヨモギ等のキク科の草本では真夏から秋口に花粉が飛散する。
漢方処方製剤
・内服アレルギー用薬として使用される漢方処方製剤は以下の8種類で、上の4つは皮膚の症状を主とする人に適すとされる。また、下の4つは鼻の症状を主とする人に適すとされる。なお、茵蔯蒿湯、辛夷清肺湯を除き、いずれも構成生薬としてカンゾウを含む。
・漢方処方製剤では、使用する人の体質と症状にあわせて漢方処方が選択されることが重要である。なお、以下の漢方処方製剤はいずれも1カ月以上の比較的長期間服用されることがある。

・漢方の考え方に基づくと、生体に備わっている自然治癒の働きに不調を生じるのは、体内における様々な循環がバランスよく行われないことによるとされている。
受診等を検討すべきケース

【語句解説】アトピー性皮膚炎
・増悪と寛解を繰り返しながら慢性に経過する湿疹で、多くの場合、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎等の病歴又は家族歴がある。
出典: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」に準拠。