芍薬甘草湯の過去問 2/3/2024年度 北関東・甲信越ブロック
一般用医薬品の主な安全対策に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a アンプル剤は錠剤、散剤等に比べて吸収が速く、血中濃度が急速に高値に達するため、通常用量でも副作用を生じやすいことが確認されたことから、1965年、厚生省(当時)より関係製薬企業に対し、アンプル入りかぜ薬製品の回収が要請された。
b 一般用かぜ薬の使用によると疑われる間質性肺炎の発生事例が複数報告されたことから、厚生労働省は2003年に一般用かぜ薬全般につき、使用上の注意の改訂を指示した。
c 芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)とインターフェロン製剤の併用例による間質性肺炎が報告されたことから、1994年に芍薬甘草湯とインターフェロン製剤との併用を禁忌とする旨の使用上の注意の改訂がなされた。
a b c
1 誤 誤 正
2 正 正 正
3 正 正 誤
4 正 誤 誤
5 誤 正 誤
正答
a b c
1 誤 誤 正 あなたの解答
2 正 正 正 あなたの解答
3 正 正 誤 あなたの解答 正答
4 正 誤 誤 あなたの解答
5 誤 正 誤 あなたの解答
解説
◯a 正しい。
◯b 正しい。
×c 誤り。芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)ではなく小柴胡湯(しょうさいことう)とインターフェロン製剤の併用例による間質性肺炎が報告されたことから、1994年1月、インターフェロン製剤との併用を禁忌とする旨の使用上の注意の改訂がなされた。
基本事項
アンプル入りかぜ薬によるショック死事件と回収
・解熱鎮痛成分としてアミノピリン、スルピリンが配合されたアンプル入りかぜ薬の使用による重篤な副作用(ショック)で、1959年から1965年までの間に計38名の死亡例が発生した。
・アンプル剤は他の剤形(錠剤、散剤等)に比べて吸収が速く、血中濃度が急に高値に達するため、通常用量でも副作用を生じやすいことが確認されたことから、1965年、厚生省(当時)より関係製薬企業に対し、アンプル入りかぜ薬製品の回収が要請された。その後、アンプル剤以外の一般用かぜ薬についても、1970年に承認基準【語句解説】が制定され、成分・分量、効能・効果等が見直された。
・いわゆるスイッチOTC等、承認基準に合致しない医薬品については、製薬企業が承認申請を行うに際してより詳細な資料の提出が要求され、有効性、安全性及び品質に関して厳格な審査が行われる。 【語句解説】医薬品の承認基準
・承認審査の合理化、透明化を図るため、薬効群ごとに、その成分・分量、用法・用量、効能・効果等に関する概括的な基準を定めたもので、現在、以下の医薬品について承認基準が制定されている。
・かぜ薬
・解熱鎮痛薬
・鎮咳去痰(ちんがいきょたん)薬
・胃腸薬
・瀉下(しゃげ)薬
・鎮暈(ちんうん)薬
・眼科用薬
・ビタミン主薬製剤
・浣腸薬
・駆虫薬
・鼻炎用点鼻薬
・鼻炎用内服薬
・外用痔疾用薬
・みずむし・たむし用薬
・鎮痒(ちんよう)消炎薬
・いわゆるスイッチOTC医薬品等、承認基準に合致しない医薬品については、製薬企業が承認申請を行うに際してより詳細な資料の提出が要求され、有効性、安全性及び品質に関して厳格な審査が行われる。
c 一般用かぜ薬による間質性肺炎
・2003年5月までに、一般用かぜ薬の使用によると疑われる間質性肺炎の発生事例が、計26例報告された。厚生労働省では、
● 一般用かぜ薬は、一般の消費者が自らの選択により購入して使用するものであること
● 間質性肺炎は重篤な副作用であり、その初期症状は一般用かぜ薬の効能であるかぜの諸症状と区別が難しく、症状が悪化した場合には注意が必要なこと を踏まえ、同年6月、以下の通り一般用かぜ薬全般につき使用上の注意の改訂を指示することとした。

b 小柴胡湯による間質性肺炎
・小柴胡湯(しょうさいことう)とインターフェロン製剤との併用や、慢性肝炎の患者が小柴胡湯を使用したことにより間質性肺炎が起こることがあり、使用上の注意の改訂や緊急安全性情報の配布が指示されてきた。概要を確認しておこう。

d 塩酸フェニルプロパノールアミン含有医薬品
・塩酸フェニルプロパノールアミン(PPA)は、日本では鼻充血や結膜充血を除去し、鼻づまり等の症状の緩和を目的として、鼻炎用内服薬、鎮咳去痰(ちんがいきょたん)薬、かぜ薬等に配合されていた。その後、2000年にアメリカで出血性脳卒中の発生リスクが高いと報告されて販売中止が要請され、2003年には日本でも代替成分への切替えが指示されるようになった。

医薬品使用後の様々な安全対策
・現在、医薬品の市販後の安全対策として、副作用等の情報を収集する制度、収集された安全性情報を評価し適切な措置を講じる体制が整備されているところである。
・また、医薬品を適正に使用したにもかかわらず生じた健康被害に対する救済制度等が設けられている。これらは、これまでの薬害事件が和解により集結した後、その経験や教訓を踏まえて、拡充されてきたものである。各項目を確認していこう。
出典: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」に準拠。