黄連解毒湯の過去問 1/3/2024年度 北陸・東海ブロック
漢方処方製剤と適用となる症状・体質との関係のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
製剤 適用となる症状・体質
a 大柴胡湯(だいさいことう) 体力虚弱で、元気がなく、胃腸の働きが衰えて、疲れやすいものの虚弱体質、疲労倦怠(けんたい)、病後・術後の衰弱、食欲不振、ねあせ、感冒
b 黄連解毒湯(おうれんげどくとう) 体力中等度以上で、のぼせぎみで顔色赤く、いらいらして落ち着かない傾向のあるものの鼻出血、不眠症、神経症、胃炎、二日酔い、き血の道症、めまい、動悸、更年期障害、湿疹・皮膚炎、皮膚のかゆみ、口内炎
c 防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん) 体力充実して、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの高血圧や肥満に伴う動悸・肩こり・のぼせ・むくみ・便秘、蓄膿(ちくのう)症(副鼻腔炎)、湿疹・皮膚炎、ふきでもの(にきび)、肥満症
d 清上防風湯(せいじょうぼうふうとう) 体力虚弱で、疲れやすくて手足などが冷えやすいものの胃腸虚弱、下痢、嘔吐(おうと)、胃痛、腹痛、急・慢性胃炎
1(a、b)
2(b、c)
3(c、d)
4(a、d)
正答
1(a、b) あなたの解答
2(b、c) あなたの解答 正答
3(c、d) あなたの解答
4(a、d) あなたの解答
解説
×a 大柴胡湯(だいさいことう)は、体力が充実して脇腹からみぞおちあたりにかけて苦しく、便秘の傾向がある者の胃炎、常習便秘、高血圧や肥満に伴う肩こり・頭痛・便秘、神経症、肥満症に適すとされる。
◯b 正しい。
◯c 正しい。
×d 清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)は、体力中等度以上で、赤ら顔でときにのぼせがある者のにきび、顔面・頭部の湿疹・皮膚炎、赤鼻(酒さ)に適すとされる。
基本事項
代表的な漢方処方製剤
・漢方処方製剤には多くの種類がある。以下で挙げたもの以外の漢方処方製剤は、下記参照先を確認しておこう。

・上で挙げた漢方処方製剤のうち、肥満症または肥胖(ひはん)症(脂肪過多症(肥満症)の漢方医学における呼称)に用いられる防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)、防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)、大柴胡湯(だいさいことう)については、どのような肥満症にも適すわけではない。また、基本的に肥満症では、糖質や脂質を多く含む食品の過度の摂取を控える、日常生活に適度な運動を取り入れるなど、生活習慣の改善を図ることが重要である。
漢方処方製剤の特徴
・漢方薬は、漢方医学で用いる薬剤全体を概念的に広く表現する時に用いる言葉で,漢方医学の考え方に沿うように、基本的に生薬を組み合わせて構成された漢方処方に基づく漢方処方製剤(漢方方剤)として存在する。
・漢方処方は、処方全体としての適用性等、その性質からみて処方自体が一つの有効成分として独立したものという見方をすべきものである。
・漢方薬は、使用する人の体質や症状その他の状態に適した処方を既成の処方の中から選択して用いられる。
▼ 漢方薬の定義

漢方処方製剤の剤形
・現代では、漢方処方製剤の多くは、処方に基づく生薬混合物の浸出液を濃縮して調製された乾燥エキス製剤を散剤等に加工して市販されているが、軟エキス剤、伝統的な煎剤用の刻み生薬の混合物、処方に基づいて調製された丸剤等も存在する。

漢方処方製剤の副作用
・一般の生活者においては、「漢方薬はすべからく作用が穏やかで、副作用が少ない」などという誤った認識がなされていることがあり、副作用を看過する要因となりやすい。しかし、漢方処方製剤においても、間質性肺炎や肝機能障害のような重篤な副作用が起きることがあり、また、証に適さない漢方処方製剤が使用されたために、症状の悪化や副作用を引き起こす場合もある。

「五臓」の概念
・五臓の病態は、漢方で言う「脾胃(ひい)虚弱」の病態が適応となるものには「胃腸虚弱で」と記されており、「肝陽上亢」のような肝の失調状態が適応となるものには「いらいらして落ち着きのないもの」など表現されている。

「証」に合った処方が重要
・繰り返すが、漢方処方製剤を利用する場合、患者の「証」に合った漢方処方が選択されれば効果が期待できるが、合わないものが選択された場合には、効果が得られないばかりでなく、副作用を生じやすくなる。
・そのため、それぞれの製剤について、その効能効果の欄に記載されている「証」の概念を良く理解し、漢方薬が使用される人の体質と症状を十分に踏まえ、処方が選択されることが重要となる。
・従って、一般の生活者が一般用医薬品として漢方薬を購入する際には、漢方処方製剤を使用しようとする人の「証」(体質及び症状)を理解し、その「証」にあった漢方処方を選択することが出来るよう、医薬品の販売等に従事する専門家が助言を行い、漢方処方製剤の適正使用を促していくことが重要である。
出典: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」に準拠。