2025年度 東京都 登録販売者試験 過去問/6 小児の疳を適応症とする生薬製剤・漢方処方製剤(小児鎮静薬)
小児の疳(かん)を適応症とする生薬製剤・漢方処方製剤(小児鎮静薬)及びその配合成分等に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 小児鎮静薬は、症状の原因となる体質の改善を主眼としているものが多く、比較的長期間(1カ月位)継続して服用されることがある。
b 小児鎮静薬として使用される漢方処方製剤は、作用が穏やかであるため、生後3カ月未満の乳児にも使用できる。
c 小建中湯(しょうけんちゅうとう)を乳幼児に使用する場合は、体格の個人差から体重当たりのグリチルリチン酸の摂取量が多くなることがあるので、特に留意する必要がある。
d ジャコウは、シカ科のジャコウジカの雄の角を基原とする生薬で、鎮静、健胃、強壮などの作用を期待して、小児の疳を適応症とする生薬製剤に用いられる。
a b c d
1 正 正 誤 正
2 正 誤 正 誤
3 誤 誤 正 誤
4 誤 正 正 正
5 誤 正 誤 誤
正答
a b c d
1 正 正 誤 正 あなたの解答
2 正 誤 正 誤 あなたの解答 正答
3 誤 誤 正 誤 あなたの解答
4 誤 正 正 正 あなたの解答
5 誤 正 誤 誤 あなたの解答
解説
○a 正しい。
×b 漢方処方製剤は、用法用量において適用年齢の下限が設けられていない場合でも、生後3カ月未満の乳児には使用しないこととなっている。
○c 正しい。
×d ジャコウは、シカ科のジャコウジカまたはその近縁動物の雄のジャコウ腺分泌物を乾燥したもので、強心作用のほか、呼吸中枢を刺激して呼吸機能を高めたり、意識をはっきりさせる作用があるとされる。
基本事項
小児鎮静薬
・小児鎮静薬は、夜泣き、ひきつけ、疳(かん)の虫といった症状を鎮めるほか、小児における虚弱体質、消化不良などの改善を目的とする医薬品(生薬製剤・漢方処方製剤)である。
▼ 小児鎮静薬の役割

カンゾウ(甘草)
・カンゾウについては、小児の疳(かん)を適応症とする生薬製剤では主として健胃作用を期待して用いられ、配合量は比較的少ないことが多いが、他の医薬品等から摂取されるグリチルリチン酸も含め、その総量が継続して多くならないよう注意されるべきである。 [リンク挿入]
ジャコウ(麝香)
・ジャコウは、シカ科のジャコウジカの雄の麝香(じゃこう)腺分泌物を基原とする生薬で、強心作用のほか、呼吸中枢を刺激して呼吸機能を高めたり、意識をはっきりさせる等の作用があるとされる。

漢方処方製剤
・小児の疳(かん)を適応とする漢方処方製剤として、以下の5つが挙げられる。

代表的な配合生薬等、主な副作用
・小児の疳(かん)は、乾という意味もあるとも言われ、やせて血が少ないことから生じると考えられている。そのため、小児鎮静薬には、鎮静作用のほか、血液の循環を促す作用があるとされる生薬成分を中心に配合されている。

夜泣き、ひきつけ、疳(かん)の虫
・小児では、特段身体的な問題がなく、基本的な欲求が満たされていても、夜泣き、ひきつけ、疳(かん)の虫等の症状が現れることがある。

・これらの症状の原因として、以下のものが考えられる。

・なお、身体的な問題がなく生じる夜泣きやひきつけ、疳(かん)の虫等の症状は、成長に伴って自然に治まるのが普通である。発達段階の一時的な症状と保護者が達観することも重要であり、保護者側の安眠を図ることを優先して小児鎮静薬を使用するのは適当ではない。
ロクジョウ(鹿茸)
・ロクジョウは、シカ科のCervus nippon Temminck、Cervus elaphus Linné、Cervus canadensis Erxlebenまたはその他同属動物の雄鹿の角化していない幼角を基原とする生薬で、強心作用のほか、強壮、血行促進等の作用があるとされる。
・緊張や興奮を鎮め、また、血液の循環を促す作用等を期待して用いられる。(小児の疳(かん)を適応症とする生薬製剤・漢方処方製剤(小児鎮静薬))
・心筋に直接刺激を与え、その収縮力を高める作用(強心作用)を期待して用いられる。(強心薬)
・滋養強壮保健薬にロクジョウを配合する場合、医薬品にのみ認められる(医薬部外品では配合が認められない)。
リュウノウ(龍脳)
・中枢神経系の刺激作用による気つけの効果を期待して用いられる。リュウノウ中に存在する主要な物質として、ボルネオールが配合されている場合もある。
▼ リュウノウ

生薬製剤は、比較的長期間(1カ月位)継続して服用されることがある
・生薬製剤も、漢方処方製剤と同様、症状の原因となる体質の改善を主眼としているものが多く、比較的長期間(1カ月位)継続して服用されることがある。
・一般の生活者においては、「生薬製剤はすべからく作用が緩やかで、副作用が少ない」などという誤った認識がしばしば見られることがある。しかし、センソのように少量で強い作用を示す生薬もあり、医薬品の販売等に従事する専門家においては、購入者等が「生薬製剤は副作用が少ない」などといった誤った考えで使用することを避け、適切な医薬品を選択することができるよう、積極的な情報提供を行うことに努める必要がある。
・一定期間又は一定回数使用しても症状の改善が見られない場合には、一般用医薬品によって対処することが適当でない疾患による症状である可能性もある。
・医薬品の販売等に従事する専門家においては、購入者等に対して、必要に応じて医療機関を受診するよう促すほか、使用期間中の症状の経過や副作用の発現に注意を払う必要性につき、積極的な情報提供を行うことが重要である。
ジンコウ(沈香)
・ジンチョウゲ科のジンコウ、その他同属植物の材、特にその辺材の材質中に黒色の樹脂が沈着した部分を採取したものを基原とする生薬である。
・鎮静、健胃、強壮などの作用を期待して用いられる。

出典: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」に準拠。