2025年度 九州・沖縄ブロック 登録販売者試験 過去問/Ⅵ 婦人薬
以下の記述にあてはまる漢方処方製剤として、最も適切なものを下から一つ選びなさい。
比較的体力があり、ときに下腹部痛、肩こり、頭重、めまい、のぼせて足冷えなどを訴えるものの、月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、血の道症、肩こり、めまい、頭重、打ち身(打撲症)、しもやけ、しみ、湿疹(しっしん)・皮膚炎、にきびに適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)では不向きとされる。
まれに重篤な副作用として、肝機能障害を生じることが知られている。
1 五積散(ごしゃくさん)
2 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
3 柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)
4 消風散(しょうふうさん)
5 葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)
正答
1 五積散(ごしゃくさん) あなたの解答
2 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん) あなたの解答 正答
3 柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう) あなたの解答
4 消風散(しょうふうさん) あなたの解答
5 葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい) あなたの解答
解説
×1 選択肢2が正しい。
○2 正しい。
×3 選択肢2が正しい。
×4 選択肢2が正しい。
×5 選択肢2が正しい。
基本事項
漢方処方製剤
・漢方処方製剤は、婦人薬として多くの種類が用いられる。それぞれの薬の特徴を把握しておこう。なお、これらのうち、温経湯、加味逍遙散、五積散、柴胡桂枝乾姜湯、桃核承気湯は構成生薬としてカンゾウを含む。

血の道症
・血の道症とは、臓器・組織の形態的異常がなく、抑鬱(よくうつ)や寝つきが悪くなる、神経質、集中力の低下等の精神神経症状が現れる病態である。
・血の道症は、月経、妊娠、分娩(ぶんべん)、産褥(さんじょく。分娩後、母体が通常の身体状態に回復するまでの期間)、更年期等の生理現象や、流産、人工妊娠中絶、避妊手術などを原因とする異常生理によって起こるとされ、範囲が更年期障害よりも広く、年齢的に必ずしも更年期に限らない。

閉経と更年期障害
・加齢とともに卵巣からの女性ホルモンの分泌が減少していき、やがて月経が停止して、妊娠可能な期間が終了することを閉経という。
・閉経の前後には、更年期(閉経周辺期)と呼ばれる移行的な時期があり、体内の女性ホルモンの量が大きく変動することがある。

・更年期においては、月経周期が不規則になるほか、不定愁訴【語句解説】として血の道症の症状に加え、冷え症、腰痛、頭痛、頭重、ほてり、のぼせ、立ちくらみ等の症状が起こることがある。こうした症候群を更年期障害という。

【語句解説】不定愁訴
・体のどの部位が悪いのかはっきりしない訴えで、全身の倦怠(けんたい)感や疲労感、微熱感などを特徴とする。更年期障害のほか、自律神経失調症等の心身症の症状として現れることが多い。
月経痛や月経不順、おりものの状態によっては病院へ
・内服で用いられる婦人薬は、比較的作用が穏やかで、ある程度長期間使用することによって効果が得られるとされる。効果の現れ方は、症状や使用する人の体質、体の状態等により異なるが、効果がみられないのに漫然と使用を継続することは適当でない。状況によっては、病院などの医療機関を受診すべきである。

不定愁訴の原因に注意
・頭痛や鬱状態、動悸(どうき)・息切れ等の更年期障害の不定愁訴とされる症状の背景に、原因となる病気が存在する可能性もある。更年期は様々な病気が起こりやすい年齢でもあり、そのような原因が見いだされた場合には、その治療が優先される必要がある。

・医薬品の販売等に従事する専門家においては、購入者等に対して、一般用医薬品の使用による対処は一時的なものに止め、症状が継続するようであれば医療機関を受診するよう促していくことが重要である。
生薬成分などの重複摂取に注意
・内服で用いられる婦人薬では、複数の生薬成分が配合されている場合が多く、他の婦人薬、生薬成分を含有する医薬品が併用された場合、同じ生薬成分または同種の作用を示す生薬成分が重複摂取となり、効き目が強すぎたり、副作用が起こりやすくなるおそれがある。

月経前症候群
・血の道症のうち、月経の約10〜3日前に現れ、月経開始と共に消失する腹部膨満感、頭痛、乳房痛などの身体症状や感情の不安定、抑うつなどの精神症状を主体とするものを、月経前症候群という。

センキュウ(川芎)、トウキ(当帰)、ジオウ(地黄)
・センキュウ、トウキ、ジオウは、血行を改善し、血色不良や冷えの症状を緩和するほか、強壮、鎮静、鎮痛等の作用を期待して用いられる。
・センキュウは、セリ科のセンキュウの根茎を、通例、湯通ししたものを基原とする生薬である。
▼ センキュウ

・トウキは、セリ科のトウキ又はホッカイトウキの根を、通例、湯通ししたものを基原とする生薬である。
▼ トウキ

・ジオウは、ゴマノハグサ科のアカヤジオウ等の根又はそれを蒸したものを基原とする生薬である。
▼ ジオウ

サフラン、コウブシ(香附子)
・鎮静、鎮痛のほか、女性の滞っている月経を促す作用を期待して、サフラン(アヤメ科のサフランの柱頭を基原とする生薬)、コウブシ(カヤツリグサ科のハマスゲの根茎を基原とする生薬)等が配合されている場合がある。
・日本薬局方収載のサフランを煎じて服用する製品は、冷え症及び血色不良に用いられる。
▼ サフラン

▼ ハマスゲ

生薬成分
・婦人薬には、鎮静や鎮痛作用を期待して多くの生薬が用いられる。十分確認しておこう。
▼ 婦人薬に用いられる生薬成分

出典: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」に準拠。