2025年度 九州・沖縄ブロック 登録販売者試験 過去問/2 腸の薬(整腸薬、止瀉薬、瀉下薬)
瀉下薬及びその配合成分に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。
ア ヒマシ油は、防虫剤や殺鼠(さっそ)剤を誤って飲み込んだ場合のような脂溶性の物質による中毒に使用される。
イ センノシドは、胃や小腸で消化され、大腸に生息する腸内細菌によって分解され、分解生成物が大腸を刺激して瀉下(しゃげ)作用をもたらすと考えられている。
ウ ピコスルファートナトリウムは、小腸で分解されて、小腸への刺激作用を示す。
エ 麻子仁丸(ましにんがん)は、体力中等度以下で、腹部膨満感のあるもののしぶり腹(残便感があり、繰り返し腹痛を伴い便意を催すもの。)、腹痛、下痢、便秘に適すとされる。
ア イ ウ エ
1 正 正 誤 正
2 正 誤 正 正
3 誤 正 正 誤
4 誤 誤 正 正
5 誤 誤 誤 誤
正答
ア イ ウ エ
1 正 正 誤 正 あなたの解答
2 正 誤 正 正 あなたの解答
3 誤 正 正 誤 あなたの解答
4 誤 誤 正 正 あなたの解答
5 誤 誤 誤 誤 あなたの解答 正答
解説
×ア ヒマシ油は、防虫剤や殺鼠(さっそ)剤を誤って飲み込んだ場合のような脂溶性の物質による中毒には使用を避ける必要がある。ナフタレンやリンなどがヒマシ油に溶け出して、中毒症状を増悪させるおそれがあるため。
×イ センノシドは、大腸に生息する腸内細菌によって分解され、分解生成物が大腸を刺激して瀉下(しゃげ)作用をもたらすと考えられている。
×ウ ピコスルファートナトリウムは、胃や小腸では分解されないが、大腸に生息する腸内細菌によって分解されて、大腸への刺激作用を示す。
×エ 選択肢エの内容は、桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)の説明となっている。麻子仁丸(ましにんがん)は、体力中等度以下で、ときに便が硬く塊状なものの便秘、便秘に伴う頭重、のぼせ、湿疹・皮膚炎、ふきでもの(にきび)、食欲不振等の症状の緩和に適すとされる。
基本事項
ピコスルファートナトリウム
・ピコスルファートナトリウムは、胃や小腸では分解されないが、大腸に生息する腸内細菌によって分解されて、大腸への刺激作用を示すようになる。
大腸刺激性瀉下成分は、母乳を与える女性でも注意が必要
・大腸刺激性瀉下成分のうち、センナ、センノシド、ダイオウ、カサントラノールについては、吸収された成分の一部が乳汁中に移行することが知られている。乳児に下痢を生じるおそれがあるので、母乳を与える女性では使用を避けるか、使用期間中の授乳を避ける必要がある。
・構成生薬にダイオウを含む漢方処方製剤においても、同様に、母乳を与える女性では使用を避けるか、又は使用期間中の授乳を避けることとされている。

小腸刺激性瀉下成分
・小腸刺激性瀉下(しゃげ)成分として、生薬成分のヒマシ油と加香ヒマシ油が用いられる。
ヒマシ油の特徴と注意
・ヒマシ油は、ヒマシ(トウダイグサ科のトウゴマの種子)を圧搾して得られた脂肪油である。小腸でリパーゼの働きによって生じるヒマシの分解物が、小腸を刺激することで瀉下(しゃげ)作用をもたらすと考えられている。
・日本薬局方収載のヒマシ油と加香ヒマシ油は、腸内容物の急速な排除を目的として用いられる。主に誤食・誤飲等による中毒の場合など、腸管内の物質をすみやかに体外に排除させなければならない場合に用いられる。
・防虫剤や殺鼠剤(さっそざい)を誤って飲み込んだ場合のような脂溶性の物質による中毒には使用を避ける必要がある(ナフタレンやリン等がヒマシ油に溶け出して、中毒症状を増悪させるおそれがある)。
・急激で強い瀉下作用(峻下(しゅんげ)作用)を示すため、激しい腹痛または悪心・嘔吐の症状がある人、妊婦または妊娠していると思われる女性、3歳未満の乳幼児では使用を避けることとされている。
・吸収された成分の一部が乳汁中に移行して、乳児に下痢を引き起こすおそれがあり、母乳を与える女性では使用を避けるか、又は使用期間中の授乳を避ける必要がある。
▼ トウゴマ

整腸成分
・整腸薬は、腸内細菌の数やバランスを整えたり、腸の活動を促すことで、腸の調子を整える薬である。生菌成分や生薬成分、トリメブチンマレイン酸塩が配合される。

センナ、センノシドが配合された瀉下薬は、妊婦又は妊娠していると思われる女性では使用を避ける
・刺激性瀉下(しゃげ)成分が配合された瀉下薬は一般に、腸の急激な動きに刺激されて流産・早産を誘発するおそれがある。特に、センナやセンノシドが配合された瀉下薬については、妊婦又は妊娠していると思われる女性では、使用を避けるべきである。

⑤マルツエキス
・マルツエキスは、その主成分である麦芽糖が腸内細菌によって分解(発酵)して生じるガスによって便通を促すとされている。
・瀉下(しゃげ)薬としては比較的作用が穏やかなため、主に乳幼児の便秘に用いられる。

相互作用
・医薬品の成分の中には副作用として便秘や下痢を生じるものがあり、止瀉(ししゃ)薬や瀉下(しゃげ)薬と一緒にそうした成分を含有する医薬品が併用された場合、作用が強く現れたり、副作用を生じやすくなるおそれがある。
・逆に、整腸薬や止瀉(ししゃ)薬、瀉下(しゃげ)薬が他の医薬品の有効性や安全性に影響を及ぼすこともある。たとえば、駆虫薬は駆除した寄生虫の排出を促すため瀉下薬が併用されることがあるが、ヒマシ油を使用した場合には、駆虫成分が腸管内にとどまらず吸収されやすくなり、全身性の副作用を生じる危険性が高まるため、駆虫薬とヒマシ油との併用は避けることとされている。
▼ 駆虫薬とヒマシ油は併用NG

毎日の排便が滞る時は他の方法を指導する
大腸刺激性瀉下(しゃげ)成分配合の瀉下薬は、服用してから数時間後に効果のあるものが多いので、就寝前に服用して起床時に効果を求めると、排便のリズムも付きやすい。 ただ、毎日漫然と同じ瀉下薬を連続して服用していると、腸の運動が緩慢になり、服用する薬の量を増やさないと効果が出なくなることが多い。大腸刺激性瀉下成分配合の瀉下薬は、便秘時の頓服として使用すべきで、毎日の排便が滞るような時は以下のアドバイスを検討し、大腸刺激性瀉下成分のみに依存しない方法を指導することが必要である。
▼ 毎日の排便が滞る際にアドバイスを検討すべきこと 無機塩類や膨潤性瀉下成分の製剤を使用する ビフィズス菌や乳酸菌などの整腸成分の製剤を並行して使用する 食物繊維を積極的に摂る
出典: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」に準拠。