2025年度 九州・沖縄ブロック 登録販売者試験 過去問/3 眠気を促す薬
眠気を促す薬及びその配合成分等に関する以下の記述のうち、正しいものの組み合わせを下から一
つ選びなさい。
ア 抗ヒスタミン成分を主薬とする催眠鎮静薬は、慢性的に不眠症状がある人や、医療機関において不眠症の診断を受けている人を対象とするものではない。
イ チョウトウコウは、クロウメモドキ科のサネブトナツメの種子を基原とする生薬で、神経の興奮・緊張緩和を期待して用いられる。
ウ 抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)は、体力中等度をめやすとして、やや消化器が弱く、神経がたかぶり、怒りやすい、イライラなどがあるものの神経症、不眠症、小児夜なき、小児疳(かん)症(神経過敏)、更年期障害、血の道症、歯ぎしりに適すとされる。
エ 酸棗仁湯(さんそうにんとう)は、体力中等度以下で、心身が疲れ、精神不安、不眠などがあるものの不眠症、神経症に適すとされ、下痢又は下痢傾向のある人にも向いている。
1(ア、イ)
2(ア、ウ)
3(イ、エ)
4(ウ、エ)
正答
1(ア、イ) あなたの解答
2(ア、ウ) あなたの解答 正答
3(イ、エ) あなたの解答
4(ウ、エ) あなたの解答
解説
○ア 正しい。
×イ チョウトウコウは、アカネ科のカギカズラ、ウンカリア・シネンシス又はウンカリア・マクロフィラの通例とげを基原とする生薬で、神経の興奮・緊張緩和を期待して用いられる。サンソウニンは、クロウメモドキ科のサネブトナツメの種子を基原とする生薬で、神経の興奮・緊張緩和を期待して配合される。
○ウ 正しい。
×エ 酸棗仁湯(さんそうにんとう)は、体力中等度以下で、心身が疲れ、精神不安、不眠などがあるものの不眠症、神経症に適すとされる。胃腸が弱い人、下痢又は下痢傾向のある人では、消化器系の副作用(悪心、食欲不振、胃部不快感等)が現れやすい等、不向きとされる。
基本事項
サンソウニン(酸棗仁)
・クロウメモドキ科のサネブトナツメの種子を基原とする生薬で、神経の興奮・緊張緩和を期待して用いられる。
・サンソウニンやチャボトケイソウが配合された医薬品は、それらの成分または体力中等度以下で疲れやすく、興奮しやすい者の神経質、不眠症、小児夜なき、夜尿症、他の鎮静作用があるとされるハーブ(セントジョーンズワート等)を含む食品を併せて摂取すると、医薬品の薬効が増強、減弱したり、副作用のリスクが高まったりすることがある。
慢性的な不眠症状や不眠症向けではない
・抗ヒスタミン成分を主薬とする催眠鎮静薬は、睡眠改善薬として一時的な睡眠障害(寝つきが悪い、眠りが浅い)の緩和に用いられるものであり、慢性的に不眠症状がある人や、医療機関において不眠症の診断を受けている人を対象とするものではない。

チャボトケイソウ(別名パッシフローラ)
・南米原産のトケイソウ科の植物で、その開花期における茎および葉が薬用部位となる。神経の興奮・緊張緩和を期待して用いられる。
▼ チャボトケイソウ

・チャボトケイソウやサンソウニンが配合された医薬品は、それらの成分または体力中等度以下で疲れやすく、興奮しやすい者の神経質、不眠症、小児夜なき、夜尿症、他の鎮静作用があるとされるハーブ(セントジョーンズワート等)を含む食品を併せて摂取すると、医薬品の薬効が増強、減弱したり、副作用のリスクが高まったりすることがある。
チョウトウコウ(釣藤鈎)
アカネ科のカギカズラ、Uncaria sinensis Haviland 又は Uncaria macrophylla Wallichの通例とげを基原とする生薬で、神経の興奮・緊張緩和を期待して用いられる。
▼ カギカズラ

妊娠中や15歳未満への使用は避ける
・妊娠中にしばしば生じる睡眠障害は、ホルモンのバランスや体型の変化等が原因であり、睡眠改善薬の適用対象ではない。妊婦又は妊娠していると思われる女性には、睡眠改善薬の使用は避ける。
・小児及び若年者では、抗ヒスタミン成分により眠気とは反対の神経過敏や中枢興奮などが現れることがある。特に15歳未満の小児ではそうした副作用が起きやすいため、抗ヒスタミン成分を含有する睡眠改善薬の使用は避ける。

・他の医薬品の場合も、抗ヒスタミン成分を含有するもの(抗アレルギー薬など)には注意する。
代表的な配合成分等、主な副作用
・眠気を促す薬には、抗ヒスタミン成分とブロモバレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素が主に配合される。その他、生薬成分や漢方処方製剤も用いられる。

生薬成分
・神経の興奮・緊張緩和を期待してチョウトウコウ、サンソウニン、カノコソウ、チャボトケイソウ、ホップなどの生薬成分が複数配合される製品がある。
・生薬成分のみからなる鎮静薬であっても、複数の鎮静薬の併用や、長期連用は避けるべきである。
・カノコソウ、サンソウニン、チャボトケイソウ、ホップ等を含む製品は、医薬品的な効能効果が標榜または暗示されていなければ食品(ハーブ等)として流通可能な点に注意が必要である。
・また、生薬成分のみからなる鎮静薬や漢方処方製剤の場合、飲酒を避けることとはなっていないが、アルコールが睡眠の質を低下させ、医薬品の効果を妨げることがある。
抗ヒスタミン成分の服用後は運転や機械操作×
・抗ヒスタミン成分を含有する医薬品を服用後は、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事させてはならない。

漢方処方製剤
・神経質、精神不安、不眠等の症状の改善を目的とした漢方処方製剤として、以下のものがある。
・ これらの漢方処方製剤は症状の原因となる体質の改善を主眼としているため、いずれの処方も比較的長期間(1カ月位)服用されることが多い。

ヒスタミンの作用が弱まると、眠気が起こる
・眠気を促す薬に配合されるジフェンヒドラミン塩酸塩【語句解説】は、ヒスタミンによる刺激の発生を抑える作用がある。ヒスタミンによる刺激が減ると、脳の覚醒(かくせい)が妨げられ、眠気が促される。

【語句解説】ジフェンヒドラミン塩酸塩
・抗ヒスタミン成分の中でも特に中枢作用が強い。脳内におけるヒスタミンによる刺激の発生を抑えるため、眠気が促される。
出典: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」に準拠。