2025年度 北海道・東北ブロック 登録販売者試験 過去問/3 眠気を促す薬
眠気を促す薬及びその配合成分に関する以下の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a 抗ヒスタミン成分を主薬とする催眠鎮静薬は、慢性的に不眠症状がある人を対象とするものである。
b 抑肝散(よくかんさん)は、体力中等度をめやすとして、神経がたかぶり、怒りやすい、イライラなどがあるものの神経症、不眠症、小児夜なき、小児疳(かん)症(神経過敏)、歯ぎしり、更年期障害、血の道症に適すとされる。
c かつては不眠症や不安緊張状態の鎮静を目的にブロモバレリル尿素が頻繁に用いられていたが、近年は使用量が減少している。
d ジフェンヒドラミン塩酸塩は、アルコールとともに服用すると、薬効が減弱される。
1(a、b)
2(a、d)
3(b、c)
4(c、d)
正答
1(a、b) あなたの解答
2(a、d) あなたの解答
3(b、c) あなたの解答 正答
4(c、d) あなたの解答
解説
×a 抗ヒスタミン成分を主薬とする催眠鎮静薬は、睡眠改善薬として一時的な睡眠障害の緩和に用いられるものである。
○b 正しい。
○c 正しい。
×d 飲酒とともにジフェンヒドラミン塩酸塩、ブロモバレリル尿素またはアリルイソプロピルアセチル尿素を含む催眠鎮静薬を服用すると、その薬効や副作用が増強されるおそれがあるため、服用時には飲酒を避ける必要がある。
基本事項
慢性的な不眠症状や不眠症向けではない
・抗ヒスタミン成分を主薬とする催眠鎮静薬は、睡眠改善薬として一時的な睡眠障害(寝つきが悪い、眠りが浅い)の緩和に用いられるものであり、慢性的に不眠症状がある人や、医療機関において不眠症の診断を受けている人を対象とするものではない。

ヒスタミンの作用が弱まると、眠気が起こる
・眠気を促す薬に配合されるジフェンヒドラミン塩酸塩【語句解説】は、ヒスタミンによる刺激の発生を抑える作用がある。ヒスタミンによる刺激が減ると、脳の覚醒(かくせい)が妨げられ、眠気が促される。

【語句解説】ジフェンヒドラミン塩酸塩
・抗ヒスタミン成分の中でも特に中枢作用が強い。脳内におけるヒスタミンによる刺激の発生を抑えるため、眠気が促される。
妊娠中や15歳未満への使用は避ける
・妊娠中にしばしば生じる睡眠障害は、ホルモンのバランスや体型の変化等が原因であり、睡眠改善薬の適用対象ではない。妊婦又は妊娠していると思われる女性には、睡眠改善薬の使用は避ける。
・小児及び若年者では、抗ヒスタミン成分により眠気とは反対の神経過敏や中枢興奮などが現れることがある。特に15歳未満の小児ではそうした副作用が起きやすいため、抗ヒスタミン成分を含有する睡眠改善薬の使用は避ける。

・他の医薬品の場合も、抗ヒスタミン成分を含有するもの(抗アレルギー薬など)には注意する。
代表的な配合成分等、主な副作用
・眠気を促す薬には、抗ヒスタミン成分とブロモバレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素が主に配合される。その他、生薬成分や漢方処方製剤も用いられる。

ブロモバレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素の特徴
・ いずれも脳の興奮を抑え、痛覚を鈍くする作用がある。大脳皮質の機能を抑制し、催眠・鎮静作用を現す。
・眠気を促す薬に含まれているほか、解熱鎮痛薬や鎮暈薬(乗り物酔い薬)に鎮痛作用を助ける目的で配合されることもある。
抗ヒスタミン成分の服用後は運転や機械操作×
・抗ヒスタミン成分を含有する医薬品を服用後は、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事させてはならない。

ブロモバレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素の注意点
・ブロモバレリル尿素やアリルイソプロピルアセチル尿素は、依存性を生じる成分であり、使用を避けるべきケースも多い。十分注意しておこう。

ブロモバレリル尿素の依存性
・反復して摂取すると依存を生じることが知られており、これらの成分が配合された医薬品は、本来の目的から逸脱した使用(乱用)に注意が必要である。

・なお、ブロモバレリル尿素は、「濫用等のおそれのあるものとして厚生労働大臣が指定する医薬品」の一つに指定されている。なお、ブロモバレリル尿素等の鎮静成分を大量摂取したときの応急処置等は、通常の使用状況における場合とは異なり、高度な専門的判断を必要とする。

【語句解説】ベンゾジアゼピン系成分
・抗不安薬、催眠薬、抗けいれん薬、筋弛緩(しかん)薬として用いられる。
・関係機関の専門家に相談する、昏睡や呼吸抑制が起きているようであれば直ちに救命救急が可能な医療機関に連れて行く等の対応を取ることができるよう、十分な説明がなされるべきである。
催眠鎮静薬の役割
・催眠鎮静薬とは、睡眠に関するトラブルが生じたときに睡眠を促したり、精神のたかぶりを鎮めたりすることを目的に使用される医薬品である。
・医療用医薬品で不眠改善のために処方されるものを「催眠鎮静薬」、一般用医薬品では「睡眠改善薬」または「睡眠補助薬」と呼ぶ。
▼ 眠気を促す薬の分類

主な睡眠障害の種類
・以下の障害が慢性的に続いている場合は、鬱(うつ)病等の精神神経疾患や、何らかの身体疾患に起因する不眠、又は催眠鎮静薬の使いすぎによる不眠等の可能性も考えられるため、医療機関を受診させるなどの対応が必要である。

出典: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」に準拠。