2025年度 九州・沖縄ブロック 登録販売者試験 過去問/2 解熱鎮痛薬
プロスタグランジンに関する以下の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。
1 プロスタグランジンは、ホルモンに似た働きをする物質で、体の各部位で発生した痛みが脳へ伝わる際に、そのシグナルを増幅することで痛みの感覚を強めている。
2 プロスタグランジンは、脳の下部にある体温を調節する部位(温熱中枢)に作用して、体温を通常よりも高く維持し、ウイルスの増殖を抑えたり、免疫機構の働きを高めたりする。
3 月経痛(生理痛)は、月経そのものが起こる過程にプロスタグランジンが関わっていることから、解熱鎮痛薬の効能・効果に含まれているが、腹痛を含む痙攣(けいれん)性の内臓痛は発生の仕組みが異なるため、一部の漢方処方製剤を除き、解熱鎮痛薬の効果は期待できない。
4 プロスタグランジンの胃酸分泌調節作用や胃腸粘膜保護作用が、解熱鎮痛成分によって妨げられると、胃酸分泌が増加するとともに胃壁の血流量が増加して、胃粘膜障害を起こしやすくなる。
正答
1 プロスタグランジンは、ホルモンに似た働きをする物質で、体の各部位で発生した痛みが脳へ伝わる際に、そのシグナルを増幅することで痛みの感覚を強めている。 あなたの解答
2 プロスタグランジンは、脳の下部にある体温を調節する部位(温熱中枢)に作用して、体温を通常よりも高く維持し、ウイルスの増殖を抑えたり、免疫機構の働きを高めたりする。 あなたの解答
3 月経痛(生理痛)は、月経そのものが起こる過程にプロスタグランジンが関わっていることから、解熱鎮痛薬の効能・効果に含まれているが、腹痛を含む痙攣(けいれん)性の内臓痛は発生の仕組みが異なるため、一部の漢方処方製剤を除き、解熱鎮痛薬の効果は期待できない。 あなたの解答
4 プロスタグランジンの胃酸分泌調節作用や胃腸粘膜保護作用が、解熱鎮痛成分によって妨げられると、胃酸分泌が増加するとともに胃壁の血流量が増加して、胃粘膜障害を起こしやすくなる。 あなたの解答 正答
解説
○1 正しい。
○2 正しい。
○3 正しい。
×4 プロスタグランジンの作用が解熱鎮痛成分によって妨げられると、胃酸分泌が増加するとともに胃壁の血流量が低下して、胃粘膜障害を起こしやすくなる。
基本事項
痛みとプロスタグランジン
・プロスタグランジンはホルモンに似たはたらきをする物質で、病気や外傷があるときに活発に産生されるようになる。
・プロスタグランジンは、身体の各部位で発生した痛みが脳に伝わる際に、そのシグナルを増殖することで痛みの感覚を強めている。

・プロスタグランジンには、他にも脳の下部にある体温を調節する部位(温熱中枢)に作用して体温を通常よりも高く維持するよう調節する作用がある。ちなみに、高体温はウイルスの増殖を抑えたり、免疫機構のはたらきを高める体内環境といえる。
・上記以外にも、プロスタグランジンは、炎症の発生に関与したり、頭痛や関節痛を増強させる作用、胃酸分泌調節作用や胃粘膜保護作用がある。
解熱鎮痛薬に配合されるその他の成分
・解熱鎮痛薬には、解熱鎮痛成分のほかにも、鎮静成分や胃酸を中和する成分など、様々な成分が配合されている。それぞれの成分の配合の目的については以下の通り。

解熱鎮痛薬のはたらき
・解熱鎮痛薬とは、発熱や痛みの原因となっている病気や外傷を根本的に治すものではなく、病気や外傷が原因で生じている発熱や痛みを緩和するために使用される医薬品(内服薬)の総称である。

・解熱鎮痛成分によって、解熱、鎮痛、抗炎症のいずれの作用が中心的となるかなどの性質が異なる。なお、専ら外用剤として局所的な鎮痛や抗炎症を目的として使用される成分もある。
生薬成分(ジリュウ、シャクヤク、ボウイなど)
・生薬成分が解熱又は鎮痛をもたらす仕組みは、化学的に合成された成分(プロスタグランジンの産生を抑える作用)と異なるものと考えられており、アスピリン等の解熱鎮痛成分の使用を避けなければならない場合にも使用できる。

解熱鎮痛成分が使用上の注意の記載で「相談すること」と明記されているケース
・アスピリン、サザピリン、エテンザミド、サリチルアミド、イブプロフェン、イソプロピルアンチピリンなどを妊娠末期のラットに投与した実験において、胎児に弱い動脈管の収縮がみられたとの報告があるため、妊婦又は妊娠していると思われる人の使用時には「相談すること」とされている。
・なお、アスピリンについては、動物実験(ラット)で催奇形性が表れたとの報告がある。また、イソプロピルアンチピリンについては、化学構造が類似した他のピリン系解熱鎮痛成分において、動物実験(マウス)で催奇形性が報告されている。
相互作用
・一般用医薬品の解熱鎮痛薬は、複数の有効成分が配合されている製品が多く、他の解熱鎮痛薬やかぜ薬、鎮静薬、外用消炎鎮痛薬(一般用医薬品に限らない。)等が併用されると、同じ成分又は同種の作用を持つ成分が重複して、効き目が強く現れすぎたり、副作用が起こりやすくなったりするおそれがある。

③イブプロフェン
・イブプロフェンは解熱鎮痛成分として非常に有名だが、一般用医薬品としては15歳未満の人には使用が禁止されるなど、注意点もある。特徴と注意点を確認しておこう。

解熱のしくみと副作用、気をつけるべき人
・解熱鎮痛薬は、中枢神経系や腎臓、体の各部(末梢)に作用することで熱を下げる。これらの作用は、胃などの臓器に負担をかけたり、心臓、腎臓、肝臓に障害がある人の症状を悪化させる可能性があるので、気をつけておきたい。

④イソプロピルアンチピリン
・イソプロピルアンチピリンは、一般用医薬品で用いられる唯一のピリン系解熱鎮痛成分である。解熱及び鎮痛の作用は比較的強いが、抗炎症作用は弱いため、他の解熱鎮痛成分と組み合わせて配合される。

症状が軽いうちの服用は効果的。予防的な使用はNG
・解熱鎮痛薬は、頭痛の症状が軽いうちに服用すると効果的であるが、症状が現れないうちに予防的に使用することは適切でない。また、解熱鎮痛薬の連用により頭痛が常態化することがあるので注意を要する。

出典: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」に準拠。