2025年度 九州・沖縄ブロック 登録販売者試験 過去問/Ⅰ 人体の構造と働き
Q:
膵臓(すいぞう)に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。
ア 膵臓は、タンパク質、炭水化物、脂質のそれぞれを消化するすべての酵素の供給を担う。
イ 膵臓は、消化腺であるが内分泌腺としての機能はない。
ウ 膵液は、弱酸性であり、十二指腸へ分泌される。
エ 膵臓は、胃の後下部に位置する細長い臓器である。
ア イ ウ エ
1 正 正 誤 誤
2 正 誤 正 正
3 正 誤 誤 正
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 誤 誤
正答
ア イ ウ エ
1 正 正 誤 誤 あなたの解答
2 正 誤 正 正 あなたの解答
3 正 誤 誤 正 あなたの解答 正答
4 誤 正 誤 正 あなたの解答
5 誤 誤 誤 誤 あなたの解答
解説
○ア 文章通り。
×イ 誤り。膵臓は、消化腺であり、血糖値を調節するホルモン等を血液中に分泌する内分泌腺でもある。
×ウ 膵臓は、弱アルカリ性の膵液を十二指腸へ分泌する。
○エ 文章通り。
基本事項
空腸、回腸
・小腸のうち十二指腸に続く部分の、概ね上部40%が空腸、残り約60%が回腸であるが、明確な境目はない。
・空腸で分泌される腸液(粘液)に、腸管粘膜上の消化酵素(半消化されたタンパク質をアミノ酸まで分解するエレプシン、炭水化物を単糖類(ブドウ糖、ガラクトース、果糖)まで分解するマルターゼ、ラクターゼ等)が加わり、消化液として働く。
・小腸の運動によって、内容物がそれらの消化液(膵液、胆汁、腸液)と混和されながら大腸へと送られ、その間に消化と栄養分の吸収が行われる。
・空腸で分泌される腸液(粘液)に、腸管粘膜上の消化酵素(半消化されたタンパク質をアミノ酸まで分解するエレプシン、炭水化物を単糖類(ブドウ糖、ガラクトース、果糖)まで分解するマルターゼ、ラクターゼ等)が加わり、消化液として働く。
・小腸の運動によって、内容物がそれらの消化液(膵液、胆汁、腸液)と混和されながら大腸へと送られ、その間に消化と栄養分の吸収が行われる。
小腸における栄養分の吸収
・小腸は栄養分の吸収に重要な器官であり、内壁の表面積を大きくする構造を持つ。十二指腸の上部を除く小腸の内壁には輪状のひだがあり、その粘膜表面は絨毛(じゅうもう。柔突起ともいう)に覆われてビロード状になっている。絨毛を構成する細胞の表面には、さらに微絨毛が密生して吸収効率を高めている。
・炭水化物とタンパク質は、消化酵素の作用によってそれぞれ単糖類、アミノ酸に分解されて吸収される。脂質(トリグリセリド)は、消化酵素(リパーゼ)の作用によって分解を受けるが、小腸粘膜の上皮細胞で吸収されると脂質に再形成され、乳状脂粒(リポタンパク質【語句解説】の一種でカイロミクロンとも呼ばれる)となる。その際、脂溶性ビタミンも一緒に取り込まれる。
▼ 炭水化物、タンパク質、脂質の吸収
【語句解説】リポタンパク質
・脂質がタンパク質などの物質と結合した微粒子。
・炭水化物とタンパク質は、消化酵素の作用によってそれぞれ単糖類、アミノ酸に分解されて吸収される。脂質(トリグリセリド)は、消化酵素(リパーゼ)の作用によって分解を受けるが、小腸粘膜の上皮細胞で吸収されると脂質に再形成され、乳状脂粒(リポタンパク質【語句解説】の一種でカイロミクロンとも呼ばれる)となる。その際、脂溶性ビタミンも一緒に取り込まれる。
▼ 炭水化物、タンパク質、脂質の吸収
・脂質がタンパク質などの物質と結合した微粒子。
十二指腸
・十二指腸は、胃から連なる約25cmのC字型に彎曲(わんきょく)した部分である。彎曲部には膵臓(すいぞう)からの膵管と胆嚢(たんのう)からの胆管の開口部があり、それぞれ膵液と胆汁を腸管内へ送り込んでいる。
・腸の内壁からは腸液が分泌され、十二指腸で分泌される腸液に含まれる成分の働きによって、膵液中のトリプシノーゲンがトリプシンになる。トリプシンは、胃で半消化されたタンパク質(ペプトン)をさらに細かく消化する酵素である。 
d 小腸(十二指腸、空腸、回腸)
・小腸は、全長6〜7mの管状の臓器で、十二指腸、空腸、回腸の3部分に分かれる。
▼ 小腸の構造
▼ 小腸の構造
e 膵臓
・膵臓(すいぞう)は、胃の後下部に位置する細長い臓器で、膵液を十二指腸へ分泌する。膵臓の役割と膵液の特徴について確認しておこう。 
胃のはたらき
・胃の内壁は粘膜で覆われて多くのひだをなしている。粘膜の表面には無数の微細な孔があり、胃腺につながって胃酸(塩酸)のほか、ペプシノーゲンなどを分泌している。
▼ 胃から分泌されるもの
・胃液分泌と粘液分泌のバランスが崩れると、胃液により胃の内壁が損傷を受けて胃痛等の症状を生じることがある。
・なお、タンパク質がペプシンによって半消化された状態をペプトンという。
▼ 胃から分泌されるもの
・なお、タンパク質がペプシンによって半消化された状態をペプトンという。
胆嚢
・胆嚢(たんのう)は、肝臓で産生された胆汁を濃縮して蓄える器官で、十二指腸に内容物が入ってくると収縮して腸管内に胆汁を送り込む。
・胆汁に含まれる胆汁酸塩(コール酸、デオキシコール酸等の塩類)は、脂質の消化を容易にするとともに、脂溶性ビタミンの吸収を助ける。腸内に放出された胆汁酸塩の大部分は、小腸で再吸収されて肝臓に戻される。これを腸肝循環という。
・胆汁には、古くなった赤血球や過剰のコレステロール等を排出する役割もある。胆汁に含まれるビリルビン(胆汁色素)は、赤血球中のヘモグロビンが分解されて生じた老廃物で、腸管内に排出されたビリルビンは、腸管内に生息する常在細菌(腸内細菌)によって代謝されて、糞便を茶褐色にする色素となる。
・胆汁に含まれる胆汁酸塩(コール酸、デオキシコール酸等の塩類)は、脂質の消化を容易にするとともに、脂溶性ビタミンの吸収を助ける。腸内に放出された胆汁酸塩の大部分は、小腸で再吸収されて肝臓に戻される。これを腸肝循環という。
・胆汁には、古くなった赤血球や過剰のコレステロール等を排出する役割もある。胆汁に含まれるビリルビン(胆汁色素)は、赤血球中のヘモグロビンが分解されて生じた老廃物で、腸管内に排出されたビリルビンは、腸管内に生息する常在細菌(腸内細菌)によって代謝されて、糞便を茶褐色にする色素となる。
胃内滞留時間
・食道から送られてきた内容物は、胃の運動によって胃液と混和され、かゆ状となって小腸に送り出されるまで数時間、胃内に滞留する。滞留時間は、炭水化物主体の食品の場合には比較的短く、脂質分の多い食品の場合には比較的長い。
iii 生体物質の産生
・肝臓では、コレステロールやフィブリノゲン等の血液凝固因子、アルブミン、各種アミノ酸等、生命維持に必須な役割を果たす種々の生体物質(生物の体内に存在する化学物質の総称)が産生されている。
【語句解説】必須アミノ酸
・体内で作られないため、食品などから摂取する必要があるアミノ酸。ヒトの場合、トリプトファン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、ヒスチジンの9種のアミノ酸が必須アミノ酸とされる。
・体内で作られないため、食品などから摂取する必要があるアミノ酸。ヒトの場合、トリプトファン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、ヒスチジンの9種のアミノ酸が必須アミノ酸とされる。
化学的消化と機械的消化
・消化には、消化腺から分泌される消化液による化学的消化と、咀嚼(そしゃく。食物を噛み、口腔内で粉砕すること)や消化管の運動による機械的消化とがある。 
出典: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」に準拠。