2025年度 九州・沖縄ブロック 登録販売者試験 過去問/Ⅰ 人体の構造と働き
Q:
消化器系の内臓器官に関する以下の記述のうち、正しいものの組み合わせを下から一つ選びなさい。
ア 咽頭は、口腔から食道に通じる食物路と、呼吸器の気道が交わるところである。
イ 胃粘液に含まれる成分は、小腸におけるビタミンB2の吸収に重要な役割を果たしている。
ウ 大腸の粘膜上皮細胞は、腸内細菌が食物繊維を分解して生じる栄養分を、その活動に利用している。
エ 肝臓は、必須アミノ酸を含むアミノ酸を生合成することができる。
1(ア、イ)
2(ア、ウ)
3(イ、エ)
4(ウ、エ)
正答
1(ア、イ) あなたの解答
2(ア、ウ) あなたの解答 正答
3(イ、エ) あなたの解答
4(ウ、エ) あなたの解答
解説
○ア 文章通り。
×イ 誤り。胃粘液に含まれる成分は、小腸におけるビタミンB12の吸収に重要な役割を果たしている。
○ウ 文章通り。
×エ 肝臓では、必須アミノ酸以外のアミノ酸を生合成することができる。
基本事項
大腸の腸内細菌による作用
・大腸内には腸内細菌が多く存在し、腸管内の食物繊維(難消化性多糖類)を発酵分解する。大腸の粘膜上皮細胞は、腸内細菌が食物繊維を分解して生じる栄養分を、その活動に利用しており、大腸が正常に働くには、腸内細菌の存在が重要である。
・また、大腸の腸内細菌は、血液凝固や骨へのカルシウム定着に必要なビタミンK等の物質も産生している。なお、腸内細菌による発酵で、糞便(ふんべん)の臭気の元となる物質やメタン、二酸化炭素等のガスが生成される。
・また、大腸の腸内細菌は、血液凝固や骨へのカルシウム定着に必要なビタミンK等の物質も産生している。なお、腸内細菌による発酵で、糞便(ふんべん)の臭気の元となる物質やメタン、二酸化炭素等のガスが生成される。
胆嚢
・胆嚢(たんのう)は、肝臓で産生された胆汁を濃縮して蓄える器官で、十二指腸に内容物が入ってくると収縮して腸管内に胆汁を送り込む。
・胆汁に含まれる胆汁酸塩(コール酸、デオキシコール酸等の塩類)は、脂質の消化を容易にするとともに、脂溶性ビタミンの吸収を助ける。腸内に放出された胆汁酸塩の大部分は、小腸で再吸収されて肝臓に戻される。これを腸肝循環という。
・胆汁には、古くなった赤血球や過剰のコレステロール等を排出する役割もある。胆汁に含まれるビリルビン(胆汁色素)は、赤血球中のヘモグロビンが分解されて生じた老廃物で、腸管内に排出されたビリルビンは、腸管内に生息する常在細菌(腸内細菌)によって代謝されて、糞便を茶褐色にする色素となる。
・胆汁に含まれる胆汁酸塩(コール酸、デオキシコール酸等の塩類)は、脂質の消化を容易にするとともに、脂溶性ビタミンの吸収を助ける。腸内に放出された胆汁酸塩の大部分は、小腸で再吸収されて肝臓に戻される。これを腸肝循環という。
・胆汁には、古くなった赤血球や過剰のコレステロール等を排出する役割もある。胆汁に含まれるビリルビン(胆汁色素)は、赤血球中のヘモグロビンが分解されて生じた老廃物で、腸管内に排出されたビリルビンは、腸管内に生息する常在細菌(腸内細菌)によって代謝されて、糞便を茶褐色にする色素となる。
小腸における栄養分の吸収
・小腸は栄養分の吸収に重要な器官であり、内壁の表面積を大きくする構造を持つ。十二指腸の上部を除く小腸の内壁には輪状のひだがあり、その粘膜表面は絨毛(じゅうもう。柔突起ともいう)に覆われてビロード状になっている。絨毛を構成する細胞の表面には、さらに微絨毛が密生して吸収効率を高めている。
・炭水化物とタンパク質は、消化酵素の作用によってそれぞれ単糖類、アミノ酸に分解されて吸収される。脂質(トリグリセリド)は、消化酵素(リパーゼ)の作用によって分解を受けるが、小腸粘膜の上皮細胞で吸収されると脂質に再形成され、乳状脂粒(リポタンパク質【語句解説】の一種でカイロミクロンとも呼ばれる)となる。その際、脂溶性ビタミンも一緒に取り込まれる。
▼ 炭水化物、タンパク質、脂質の吸収
【語句解説】リポタンパク質
・脂質がタンパク質などの物質と結合した微粒子。
・炭水化物とタンパク質は、消化酵素の作用によってそれぞれ単糖類、アミノ酸に分解されて吸収される。脂質(トリグリセリド)は、消化酵素(リパーゼ)の作用によって分解を受けるが、小腸粘膜の上皮細胞で吸収されると脂質に再形成され、乳状脂粒(リポタンパク質【語句解説】の一種でカイロミクロンとも呼ばれる)となる。その際、脂溶性ビタミンも一緒に取り込まれる。
▼ 炭水化物、タンパク質、脂質の吸収
・脂質がタンパク質などの物質と結合した微粒子。
iii 生体物質の産生
・肝臓では、コレステロールやフィブリノゲン等の血液凝固因子、アルブミン、各種アミノ酸等、生命維持に必須な役割を果たす種々の生体物質(生物の体内に存在する化学物質の総称)が産生されている。
【語句解説】必須アミノ酸
・体内で作られないため、食品などから摂取する必要があるアミノ酸。ヒトの場合、トリプトファン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、ヒスチジンの9種のアミノ酸が必須アミノ酸とされる。
・体内で作られないため、食品などから摂取する必要があるアミノ酸。ヒトの場合、トリプトファン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、ヒスチジンの9種のアミノ酸が必須アミノ酸とされる。
空腸、回腸
・小腸のうち十二指腸に続く部分の、概ね上部40%が空腸、残り約60%が回腸であるが、明確な境目はない。
・空腸で分泌される腸液(粘液)に、腸管粘膜上の消化酵素(半消化されたタンパク質をアミノ酸まで分解するエレプシン、炭水化物を単糖類(ブドウ糖、ガラクトース、果糖)まで分解するマルターゼ、ラクターゼ等)が加わり、消化液として働く。
・小腸の運動によって、内容物がそれらの消化液(膵液、胆汁、腸液)と混和されながら大腸へと送られ、その間に消化と栄養分の吸収が行われる。
・空腸で分泌される腸液(粘液)に、腸管粘膜上の消化酵素(半消化されたタンパク質をアミノ酸まで分解するエレプシン、炭水化物を単糖類(ブドウ糖、ガラクトース、果糖)まで分解するマルターゼ、ラクターゼ等)が加わり、消化液として働く。
・小腸の運動によって、内容物がそれらの消化液(膵液、胆汁、腸液)と混和されながら大腸へと送られ、その間に消化と栄養分の吸収が行われる。
糞便の成分
・通常、糞便の成分の大半は水分で、そのほか、はがれ落ちた腸壁上皮細胞の残骸(15〜20%)や腸内細菌の死骸(10〜15%)が含まれ【語句解説】、食物の残滓(ざんし)は約5%に過ぎない。糞便となって直腸に達すると、刺激が脳に伝わって便意を生じる。 【語句解説】
・食事を摂らなくても排泄される糞便は、これらが排出されたものである。
・食事を摂らなくても排泄される糞便は、これらが排出されたものである。
消化管と消化腺
・飲食物はそのままの形で栄養分として利用できず、消化管と消化腺からなる消化器系の作用により、消化・吸収される必要がある。
・消化器系は、飲食物を消化し、生命を維持していくため必要な栄養分として吸収し、その残滓(ざんし)を体外に排出する器官系である。消化管は口腔(こうくう)から肛門(こうもん)まで続く管であり、消化腺は消化液を分泌する細胞組織のことである。
▼ 消化管と消化腺
・消化器系は、飲食物を消化し、生命を維持していくため必要な栄養分として吸収し、その残滓(ざんし)を体外に排出する器官系である。消化管は口腔(こうくう)から肛門(こうもん)まで続く管であり、消化腺は消化液を分泌する細胞組織のことである。
▼ 消化管と消化腺
胃内滞留時間
・食道から送られてきた内容物は、胃の運動によって胃液と混和され、かゆ状となって小腸に送り出されるまで数時間、胃内に滞留する。滞留時間は、炭水化物主体の食品の場合には比較的短く、脂質分の多い食品の場合には比較的長い。
e 膵臓
・膵臓(すいぞう)は、胃の後下部に位置する細長い臓器で、膵液を十二指腸へ分泌する。膵臓の役割と膵液の特徴について確認しておこう。 
齲蝕
・歯の齲蝕(うしょく)が象牙質に達すると、神経が刺激されて、歯がしみたり痛みを感じるようになる。 【語句解説】齲蝕(うしょく)
・口腔内の常在細菌が糖質から産生する酸で歯が脱灰されることによって起こる歯の欠損。いわゆる「むし歯」。
・口腔内の常在細菌が糖質から産生する酸で歯が脱灰されることによって起こる歯の欠損。いわゆる「むし歯」。
出典: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」に準拠。