2025年度 北海道・東北ブロック 登録販売者試験 過去問/1 痔の薬
外用痔疾用薬及びその配合成分に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 坐剤及び注入軟膏(なんこう)では、成分の一部が直腸粘膜から吸収されて循環血流中に入りやすく、全身的な影響を生じることがある。
b 痔に伴う痒みを和らげることを目的として、抗ヒスタミン成分であるクロタミトンが配合されている場合がある。
c 肛門部の炎症や痒みを和らげる成分として、ステロイド性抗炎症成分であるグリチルレチン酸が配合されている場合がある。
d 痔による肛門部の創傷の治癒を促す効果を期待して、アラントインのような組織修復成分が用いられる。
a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 誤 誤 正
3 正 正 誤 正
4 誤 誤 正 誤
5 誤 正 正 正
正答
a b c d
1 正 正 正 誤 あなたの解答
2 正 誤 誤 正 あなたの解答 正答
3 正 正 誤 正 あなたの解答
4 誤 誤 正 誤 あなたの解答
5 誤 正 正 正 あなたの解答
解説
○a 正しい。
×b クロタミトンは、皮膚に軽い灼熱(しゃくねつ)感を与えることでかゆみを感じにくくさせる効果を期待して配合される。なお、ジフェンヒドラミンやクロルフェニラミンマレイン酸塩などの抗ヒスタミン成分は、痔に伴うかゆみを和らげることを目的として配合される。
×c グリチルレチン酸は、比較的緩和な抗炎症作用を示す成分として用いられる。選択肢cの目的で配合されるのは、ステロイド性抗炎症成分であるヒドロコルチゾン酢酸エステルやプレドニゾロン酢酸エステルである。
○d 正しい。
基本事項
抗炎症成分
・抗炎症成分は、ステロイド性抗炎症成分と、非ステロイド性抗炎症成分(グリチルレチン酸)に大別される。

外用痔(じ)疾用薬
・外用痔疾用薬は、痔核(いぼ痔)または裂肛(切れ痔)による痛み、かゆみ、腫れ、出血等の緩和、患部の消毒を目的とする坐剤(ざざい)、軟膏剤(注入軟膏を含む。)または外用液剤である。
・外用痔疾用薬に配合される成分は以下の8つに大別される。詳細は各項目で説明する。

・外用痔疾用薬は局所に適用されるものであるが、坐剤及び注入軟膏では、成分の一部が直腸粘膜から吸収されて循環血流中に入りやすく、全身的な影響を生じることがあるため、配合成分によっては注意を要する場合がある。
組織修復成分
・痔による肛門部の創傷治癒を促す効果を期待して、アラントイン、アルミニウムクロルヒドロキシアラントイネート(別名アルクロキサ)のような組織修復成分が用いられる。
鎮痒成分
・かゆみを抑える鎮痒(ちんよう)成分は、抗ヒスタミン成分と局所刺激成分の二つに大別される。

局所麻酔成分
・局所麻酔成分は、皮膚や粘膜などの局所に適用されると、その周辺の知覚神経に作用して、刺激伝導を可逆的に遮断(しゃだん)する作用を示す。痔に伴う痛み、かゆみを和らげることを目的として、以下の局所麻酔成分が用いられる。

・リドカイン、リドカイン塩酸塩、アミノ安息香酸エチル、ジブカイン塩酸塩が配合された坐剤(ざざい)および注入軟膏では、まれに重篤な副作用としてショック(アナフィラキシー)を生じることがある。
生薬成分
・生薬成分として用いられるのは、シコンとセイヨウトチノミである。それぞれの特徴を確認しておこう。
痔の予防
・痔の予防には、血行を良くすることや、食物繊維の摂取、香辛料などを避けることが効果的である。

痔疾用薬の分類
・一般用医薬品の痔疾用薬には、肛門部または直腸内に適用する外用薬(外用痔疾用薬)と内服して使用する内用薬(内用痔疾用薬)がある。

・いずれもその使用と併せて、痔を生じた要因となっている生活習慣の改善等を図ることが重要である。
漢方処方製剤
・痔に用いられる漢方処方製剤としては、乙字湯(おつじとう)と芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)をおさえておこう。

止血成分
・止血効果を期待して配合される成分として、カルバゾクロムがある。毛細血管を補強、強化して出血を抑えるはたらきがあるとされる。
出典: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」に準拠。