抑肝散の過去問 1/3/2023年度 北陸・東海ブロック
眠気を促す薬及びその配合成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a ブロモバレリル尿素は、反復して摂取すると依存を生じることが知られており、本来の目的から逸脱した使用(乱用)がなされることがある。
b 抑肝散(よくかんさん)は、不眠症状の改善を目的として使用されるが、構成生薬としてダイオウを含むため、下痢等の副作用に注意が必要である。
c 生薬成分のみからなる鎮静薬であっても、複数の鎮静薬の併用や、長期連用は避けるべきである。
d 抗ヒスタミン成分を主薬とする催眠鎮静薬は、慢性的に不眠症状がある人を対象とするものである。
1(a、b)
2(a、c)
3(b、d)
4(c、d)
正答
1(a、b) あなたの解答
2(a、c) あなたの解答 正答
3(b、d) あなたの解答
4(c、d) あなたの解答
解説
◯a 正しい。
×b 誤り。抑肝散はカンゾウを含む。選択肢bの内容は、柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)の説明となっている。
◯c 正しい。
×d 抗ヒスタミン成分を主薬とする催眠鎮静薬は、睡眠改善薬として一時的な睡眠障害の緩和に用いられるものである。
基本事項
慢性的な不眠症状や不眠症向けではない
・抗ヒスタミン成分を主薬とする催眠鎮静薬は、睡眠改善薬として一時的な睡眠障害(寝つきが悪い、眠りが浅い)の緩和に用いられるものであり、慢性的に不眠症状がある人や、医療機関において不眠症の診断を受けている人を対象とするものではない。

生薬成分
・神経の興奮・緊張緩和を期待してチョウトウコウ、サンソウニン、カノコソウ、チャボトケイソウ、ホップなどの生薬成分が複数配合される製品がある。
・生薬成分のみからなる鎮静薬であっても、複数の鎮静薬の併用や、長期連用は避けるべきである。
・カノコソウ、サンソウニン、チャボトケイソウ、ホップ等を含む製品は、医薬品的な効能効果が標榜または暗示されていなければ食品(ハーブ等)として流通可能な点に注意が必要である。
・また、生薬成分のみからなる鎮静薬や漢方処方製剤の場合、飲酒を避けることとはなっていないが、アルコールが睡眠の質を低下させ、医薬品の効果を妨げることがある。
代表的な配合成分等、主な副作用
・眠気を促す薬には、抗ヒスタミン成分とブロモバレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素が主に配合される。その他、生薬成分や漢方処方製剤も用いられる。

催眠鎮静薬の役割
・催眠鎮静薬とは、睡眠に関するトラブルが生じたときに睡眠を促したり、精神のたかぶりを鎮めたりすることを目的に使用される医薬品である。
・医療用医薬品で不眠改善のために処方されるものを「催眠鎮静薬」、一般用医薬品では「睡眠改善薬」または「睡眠補助薬」と呼ぶ。
▼ 眠気を促す薬の分類

ヒスタミンと覚醒の維持
・ヒスタミンは、脳の下部にある睡眠・覚醒(かくせい)に関与する部位で神経細胞の刺激を介して、覚醒の維持や調節を行う働きを担う生体内情報伝達物質である。
・ヒスタミンと受容体が結合すると、中枢神経系の覚醒、興奮が起こる。

ヒスタミンの作用が弱まると、眠気が起こる
・眠気を促す薬に配合されるジフェンヒドラミン塩酸塩【語句解説】は、ヒスタミンによる刺激の発生を抑える作用がある。ヒスタミンによる刺激が減ると、脳の覚醒(かくせい)が妨げられ、眠気が促される。

【語句解説】ジフェンヒドラミン塩酸塩
・抗ヒスタミン成分の中でも特に中枢作用が強い。脳内におけるヒスタミンによる刺激の発生を抑えるため、眠気が促される。
抗ヒスタミン成分の使用における注意
・抗ヒスタミン成分は、眠気を促す成分であるため、服用に注意すべき人や服用後に避けるべき行動がある。確認しておこう。
抗ヒスタミン成分の服用後は運転や機械操作×
・抗ヒスタミン成分を含有する医薬品を服用後は、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事させてはならない。

ブロモバレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素の特徴
・ いずれも脳の興奮を抑え、痛覚を鈍くする作用がある。大脳皮質の機能を抑制し、催眠・鎮静作用を現す。
・眠気を促す薬に含まれているほか、解熱鎮痛薬や鎮暈薬(乗り物酔い薬)に鎮痛作用を助ける目的で配合されることもある。
ブロモバレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素の注意点
・ブロモバレリル尿素やアリルイソプロピルアセチル尿素は、依存性を生じる成分であり、使用を避けるべきケースも多い。十分注意しておこう。

出典: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」に準拠。