紫雲膏の過去問 1/2/2022年度 関西広域連合
外皮用薬及びその配合成分に関する記述について、正しいものの組合せを一つ選べ。
a 紫雲膏(しうんこう)は、ひび、あかぎれ、しもやけ、うおのめ、あせも、ただれ、外傷、火傷、痔核による疼痛(とうつう)、肛門裂傷、湿疹(しっしん)・皮膚炎に適すとされる。
b ナファゾリン塩酸塩は、創傷面に浸透して、血管を収縮させることによって創傷面からの出血を抑制する効果がある。
c サリチル酸は、皮膚の角質層を構成するケラチンを変質させることにより、角質軟化作用を示す。
d イブプロフェンの誘導体であるイブプロフェンピコノールは、吹き出物に伴う皮膚の発赤や腫れを抑えるほか、鎮痛作用も期待して配合される。
1(a、b)
2(a、c)
3(b、d)
4(c、d)
正答
1(a、b) あなたの解答 正答
2(a、c) あなたの解答
3(b、d) あなたの解答
4(c、d) あなたの解答
解説
○a 正しい。
○b 正しい。
×c サリチル酸は、角質成分を溶解することにより角質軟化作用を示す。併せて抗菌、抗真菌、抗炎症作用も期待され、にきび用薬等に配合されることもある。なお、皮膚の角質層を形成するケラチンを変質させるのは、イオウである。
×d イブプロフェンピコノールはイブプロフェンの誘導体だが、外用での鎮痛作用はほとんど期待されない。ただし、吹き出物に伴う皮膚の発赤や腫れを抑えるほか、吹出物(面皰(めんぽう))の拡張を抑える作用があるとされる。にきび治療薬として用いられる。
基本事項
血管収縮成分
・きり傷、擦り傷、掻(か)き傷等の創傷面からの出血を抑えることを目的として、ナファゾリン塩酸塩などのアドレナリン作動成分が配合されることがある。創傷面に浸透して、その部位を通っている血管を収縮させることによる止血効果を期待して用いられる。
ステロイド性抗炎症成分
・ステロイド性抗炎症成分は、副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)の持つ抗炎症作用に着目し、それと共通する化学構造(ステロイド骨格)を持つ化合物が人工的に合成され、抗炎症成分(ステロイド性抗炎症成分)として用いられる。

ステロイド性抗炎症成分の注意事項
・ステロイド性抗炎症成分の好ましくない作用として、末梢組織の免疫機能低下作用がある。免疫低下により皮膚感染などのリスクが上がるので注意したい。

・ステロイド性抗炎症成分は、使用する量にも注意が必要である。また、長期連用も避ける必要がある。

非ステロイド性抗炎症成分(NSAIDs)
・分子内にステロイド骨格を持たず、プロスタグランジンの産生を抑える作用(抗炎症作用)を示す成分を非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)という。様々な種類があるが、以下挙げるものはおさえておこう。
①皮膚の炎症によるほてりや痒(かゆ)み等の緩和を目的として用いられる成分
・ステロイド性抗炎症成分は、副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)の持つ抗炎症作用に着目し、それと共通する化学構造を持つ化合物が人工的に合成され、抗炎症成分(ステロイド性抗炎症成分)として用いられる。

ブフェキサマク(販売終了)
※2010年4月に欧州医薬品庁の諮問委員会が、ブフェキサマクは重篤な接触性アレルギー反応のリスクが高く、本剤を使用する有益性が危険性を上回るものではないと結論付け、全てのブフェキサマク含有医薬品の販売承認を取り消すべきであることの勧告を出したことを受け、本国においては、自主的な取り組みとしてブフェキサマク製剤の販売は終了されている。
・湿疹、皮膚炎、かぶれ、日焼け、あせも等による皮膚症状の緩和を目的として用いられる。
・まれに重篤な副作用として、接触皮膚炎を生じることがある。その他の副作用として、腫れ、刺激感(ヒリヒリ感)、光線過敏症、しみ(色素沈着)、皮膚乾燥が現れることがある。
②筋肉痛、関節痛、打撲、捻挫等による鎮痛等を目的として用いられる成分
・非ステロイド性抗炎症成分のうち、以下の成分は皮膚の下層にある骨格筋や関節部まで浸透してプロスタグランジンの産生を抑える作用を示す。

鎮痛等を目的として用いられる成分の注意点/副作用
・これらの成分は、注意すべき点や使用を避けるべき人がいるのでよく確認しておこう。特に、インドメタシン、ケトプロフェン、ピロキシカムは注意点や副作用が多い。

③その他
・かゆみ、腫れ、痛み等を抑える配合成分として、ステロイド性抗炎症成分、非ステロイド性抗炎症成分のほかに、以下の成分も用いられる。

その他の抗炎症成分
・比較的穏やかな抗炎症作用を示す成分として、以下の成分が配合されることがある。 グリチルレチン酸 グリチルリチン酸二カリウム グリチルリチン酸モノアンモニウム
出典: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」に準拠。