六君子湯の過去問 2/3/2025年度 関西広域連合
胃腸の不調を改善する目的で用いられる漢方処方製剤に関する記述の正誤について、正しい組合せを選べ。
a 安中散(あんちゅうさん)は、体力中等度以下で、腹部は力がなくて、胃痛又は腹痛があって、ときに胸やけや、げっぷ、胃もたれ、食欲不振、吐きけ、嘔吐(おうと)などを伴うものの神経性胃炎、慢性胃炎、胃腸虚弱に適すとされる。
b 麻子仁丸(ましにんがん)は、体力虚弱で、疲れやすくて手足などが冷えやすいものの胃腸虚弱、下痢、嘔吐、胃痛、腹痛、急・慢性胃炎に適すとされる。
c 桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)は、体力中等度以上で、胃がもたれて消化が悪く、ときに吐きけ、食後に腹が鳴って下痢の傾向があるものの食べ過ぎによる胃のもたれ、急・慢性胃炎、消化不良、食欲不振に適すとされる。
d 六君子湯(りっくんしとう)は、体力中等度以下で、胃腸が弱く、食欲がなく、みぞおちがつかえ、疲れやすく、貧血性で手足が冷えやすいものの胃炎、胃腸虚弱、胃下垂、消化不良、食欲不振、胃痛、嘔吐に適すとされる。
a b c d
1 正 正 誤 誤
2 正 誤 正 誤
3 誤 正 正 正
4 正 誤 誤 正
5 誤 正 誤 正
正答
a b c d
1 正 正 誤 誤 あなたの解答
2 正 誤 正 誤 あなたの解答
3 誤 正 正 正 あなたの解答
4 正 誤 誤 正 あなたの解答 正答
5 誤 正 誤 正 あなたの解答
解説
○a 正しい。
×b 選択肢bの内容は、人参湯(理中丸)の説明となっている。麻子仁丸(ましにんがん)は、体力中等度以下で、ときに便が硬く塊状なものの便秘、便秘に伴う頭重、のぼせ、湿疹・皮膚炎、ふきでもの(にきび)、食欲不振等の症状の緩和に適すとされる。
×c 選択肢cの内容は、3 平胃散(へいいさん)の説明となっている。桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)は、体力中等度以下で腹部膨満感のある人のしぶり腹、腹痛、下痢、便秘に適すとされる。
○d 正しい。
基本事項
漢方処方製剤
・腸の不調を改善する目的で用いられる漢方処方製剤は以下の通り。

オウバク、オウレン(黄檗、黄連)
・収斂(しゅうれん)作用のほか、抗菌作用、抗炎症作用も期待して用いられる。
・オウバクのエキス製剤は、苦みによる健胃作用よりも、ベルベリンによる止瀉(ししゃ)作用を期待して、消化不良による下痢、食あたり、吐き下し、水あたり、下り腹、軟便などの症状に用いられる。 [オウバク、オウレンのリンクへ]
大腸刺激性瀉下成分は、母乳を与える女性でも注意が必要
・大腸刺激性瀉下成分のうち、センナ、センノシド、ダイオウ、カサントラノールについては、吸収された成分の一部が乳汁中に移行することが知られている。乳児に下痢を生じるおそれがあるので、母乳を与える女性では使用を避けるか、使用期間中の授乳を避ける必要がある。
・構成生薬にダイオウを含む漢方処方製剤においても、同様に、母乳を与える女性では使用を避けるか、又は使用期間中の授乳を避けることとされている。

腸の役割
・腸は、胃で細分化された栄養素や水分が、体内に吸収されるために必要な臓器で、小腸と大腸に大別できる。胃で消化された栄養素は、その後小腸、さらには大腸へと移動する。
・小腸では主に栄養素や水分の吸収を行い、一部栄養素の消化も行う。大腸では腸内容物の水分量を調整し、糞便生成を行う。

腸の不調と症状
・腸における消化、栄養成分や水分の吸収が正常に行われなかったり、腸管がその内容物を送り出す運動に異常を生じると、便秘や軟便、下痢といった症状が現れる。

下痢と便秘の主な発生原因
・下痢と便秘は、様々な原因により発生する。体の冷えやストレスで起こることが多いが、慢性の下痢では腸自体の病変も懸念される。また、便意をがまんすることが多い人では慢性の便秘になりやすい。

整腸薬、止瀉薬、瀉下薬
・下痢や便秘の治療薬として、整腸薬や止瀉(ししゃ)薬、瀉下(しゃげ)薬がある。整腸薬は文字通り腸の調子を整えるはたらきを持つ。「瀉(しゃ)」という文字には「お腹をくだす」という意味があり、止瀉薬は下痢止めの役割を、瀉下薬は下剤や便秘薬の役割を担っている。

・整腸薬、瀉下(しゃげ)薬では、医薬部外品として製造販売されている製品もあるが、それらは人体に対する作用が緩和なものとして、配合できる成分(瀉下(しゃげ)薬については、糞便のかさや水分量を増すことにより作用する成分に限られる。)やその上限量が定められている。
・また、効能・効果の範囲も限定される。たとえば、下痢・便秘の繰り返し等の場合における整腸については、医薬品においてのみ認められている。
整腸成分
・整腸薬は、腸内細菌の数やバランスを整えたり、腸の活動を促すことで、腸の調子を整える薬である。生菌成分や生薬成分、トリメブチンマレイン酸塩が配合される。

ケツメイシ
・ケツメイシは、マメ科のエビスグサまたはCassia tora Linnéの種子を基原とする生薬である。
・日本薬局方収載のケツメイシ、ゲンノショウコについては、煎薬として整腸(便通を整える。)、腹部膨満感等に用いられる。
▼ ケツメイシ

ゲンノショウコ
・ゲンノショウコは、フウロソウ科のゲンノショウコの地上部を基原とする生薬である。

出典: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」に準拠。