2)痒み、腫れ、痛み等を抑える配合成分
a ステロイド性抗炎症成分
・ステロイド性抗炎症成分は、副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)の持つ抗炎症作用に着目し、それと共通する化学構造(ステロイド骨格)を持つ化合物が人工的に合成され、抗炎症成分(ステロイド性抗炎症成分)として用いられる。
ステロイド性抗炎症成分の注意事項
・ステロイド性抗炎症成分の好ましくない作用として、末梢組織の免疫機能低下作用がある。免疫低下により皮膚感染などのリスクが上がるので注意したい。
・ステロイド性抗炎症成分は、使用する量にも注意が必要である。また、長期連用も避ける必要がある。
b 非ステロイド性抗炎症成分(NSAIDs)
・分子内にステロイド骨格を持たず、プロスタグランジンの産生を抑える作用(抗炎症作用)を示す成分を非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)という。様々な種類があるが、以下挙げるものはおさえておこう。
①皮膚の炎症によるほてりや痒(かゆ)み等の緩和を目的として用いられる成分
・ステロイド性抗炎症成分は、副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)の持つ抗炎症作用に着目し、それと共通する化学構造を持つ化合物が人工的に合成され、抗炎症成分(ステロイド性抗炎症成分)として用いられる。
②筋肉痛、関節痛、打撲、捻挫等による鎮痛等を目的として用いられる成分
・非ステロイド性抗炎症成分のうち、以下の成分は皮膚の下層にある骨格筋や関節部まで浸透してプロスタグランジンの産生を抑える作用を示す。
鎮痛等を目的として用いられる成分の注意点/副作用
・これらの成分は、注意すべき点や使用を避けるべき人がいるのでよく確認しておこう。特に、インドメタシン、ケトプロフェン、ピロキシカムは注意点や副作用が多い。
③その他
・かゆみ、腫れ、痛み等を抑える配合成分として、ステロイド性抗炎症成分、非ステロイド性抗炎症成分のほかに、以下の成分も用いられる。
c その他の抗炎症成分
・比較的穏やかな抗炎症作用を示す成分として、以下の成分が配合されることがある。
グリチルレチン酸
グリチルリチン酸二カリウム
グリチルリチン酸モノアンモニウム
d 局所麻酔成分
・皮膚のかゆみを和らげる局所麻酔成分として、以下のものがある。
e 抗ヒスタミン成分
・湿疹(しっしん)、皮膚炎、かぶれ、あせも、虫さされ等による皮膚のかゆみの発生には、生体内の伝達物質であるヒスタミンが関与している。
・外用薬で用いられる抗ヒスタミン成分は、適用部位の組織に浸透して、肥満細胞から遊離したヒスタミンとその受容体タンパク質との結合を妨げることにより、患部局所におけるヒスタミンの働きを抑える。具体的に、以下の抗ヒスタミン成分が用いられる。
抗ヒスタミン成分
ジフェンヒドラミン
ジフェンヒドラミン塩酸塩
クロルフェニラミンマレイン酸塩
ジフェニルイミダゾール
イソチペンジル塩酸塩
※いずれも副作用として患部の腫れが現れることがある.
f 局所刺激成分
・局所刺激成分は、冷感刺激もしくは温感刺激により、皮膚に刺激を与える作用がある。ただし、いずれも目や目の周り、粘膜面には刺激が強すぎるため、使用を避けることとされている。
g 収斂・皮膚保護成分
・皮膚を保護する成分として、ピロキシリン(ニトロセルロース)と酸化亜鉛が用いられる。
酸化亜鉛 :患部のたんぱく質と結合して皮膜を形成し,皮膚を保護する.
ピロキシリン(ニトロセルロース):創傷面に薄い皮膜を形成して保護する.
・いずれも成分も、患部が浸潤または化膿(かのう)している場合、傷が深いときなどには、表面だけを乾燥させてかえって症状を悪化させるおそれがあり、使用を避けることとされている。
h 組織修復成分
・損傷皮膚の組織の修復を促す作用を期待して、アラントインやビタミンA油が配合されることがある。
i 血管収縮成分
・きり傷、擦り傷、掻(か)き傷等の創傷面からの出血を抑えることを目的として、ナファゾリン塩酸塩などのアドレナリン作動成分が配合されることがある。創傷面に浸透して、その部位を通っている血管を収縮させることによる止血効果を期待して用いられる。
j 血行促進成分
・患部局所の血行を促すことを目的として、以下の成分が配合されることがある。なお、ヘパリン類似物質は抗炎症作用や保湿作用も期待して配合される。
一般的な打撲、捻挫等への対応
・打撲(だぼく)や捻挫(ねんざ)では、患部を安静にして冷やすのが基本的な対応となる。
一般的な湿疹、皮膚炎等への対応
・湿疹(しっしん)や皮膚炎では、皮膚を清浄に保ち、皮膚への刺激を避けることを意識する必要がある。
受診勧奨
・状況や症状によっては、一般用医薬品で症状の緩和を図るのではなく、医療機関を受診すべきである。以下の例を確認しておこう。
アトピー性皮膚炎は一般用医薬品では対処できない
・アトピー性皮膚炎は、一般の生活者が自己判断で対処を図ろうとすることがしばしばあるが、医師による専門的な治療を要する疾患であり、一般用医薬品の使用によって対処できる範囲を超えているので、医薬品の販売等に従事する専門家においては、購入者等に対して、その旨を説明し医療機関の受診を促すことが重要である。