鼻に用いる薬
鼻炎の種類
・鼻炎には、急性鼻炎、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎(蓄膿症)がある。
急性鼻炎
・急性鼻炎は、鼻腔内に付着したウイルスや細菌が原因となって生じる鼻粘膜の炎症で、かぜの随伴症状として現れることが多い。
アレルギー性鼻炎
・アレルギー性鼻炎は、ハウスダストや花粉等のアレルゲンに対する過敏反応によって引き起こされる鼻粘膜の炎症で、スギ等の花粉がアレルゲンとなって生じるものは一般に「花粉症」と呼ばれる。
副鼻腔炎(蓄膿症)
・副鼻腔炎は、鼻粘膜の炎症が副鼻腔にも及んだもので、慢性のものは一般に「蓄膿(ちくのう)症」と呼ばれる。
鼻炎用点鼻薬
・鼻炎用点鼻薬は、急性鼻炎、アレルギー性鼻炎又は副鼻腔炎による諸症状のうち、鼻づまり、鼻みず(鼻汁過多)、くしゃみ、頭重(頭が重い)の緩和を目的として、鼻腔内に適用される外用液剤である。
鼻炎用点鼻薬の作用対象
・鼻炎用内服薬との主な違いとしては、鼻粘膜の充血を和らげる成分(アドレナリン作動成分)が主体となり、抗ヒスタミン成分や抗炎症成分を組み合わせて配合されていても、それらは鼻腔内における局所的な作用を目的としている(外用痔(じ)疾用薬や外皮用薬で配合されている場合と同様である)。
・点鼻薬は局所(鼻腔内)に適用されるものであるが、成分が鼻粘膜を通っている血管から吸収されて循環血液中に入りやすく、全身的な影響を生じることがある。
スプレー式鼻炎用点鼻薬に関する一般的な注意事項
・噴霧後に鼻汁とともに逆流する場合があるので、使用前に鼻をよくかんでおくことのほか、使用後には鼻に接した部分を清潔なティッシュペーパー等で拭き、必ずキャップを閉めた状態で保管し清潔に保っておく必要がある。
・また、汚染を防ぐために容器はなるべく直接鼻に触れないようにするほか、他人と点鼻薬を共有しないようにする必要がある。
点鼻薬に配合される主な成分
・点鼻薬には、アドレナリン作動成分を中心に、以下の成分が配合される。詳細は各項目で説明する。
a アドレナリン作動成分
・鼻炎には、急性鼻炎、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎(蓄膿症)がある。
b 抗ヒスタミン成分
・アレルギー性鼻炎や急性鼻炎の発症にかかわるヒスタミンの働きを抑えることにより、くしゃみや鼻汁等の症状緩和を目的として、以下の抗ヒスタミン成分が配合されている場合がある。
・クロルフェニラミンマレイン酸塩
・ケトチフェンフマル酸塩
c ヒスタミンの遊離を抑える成分(抗アレルギー成分のクロモグリク酸ナトリウム)
・クロモグリク酸ナトリウムは、肥満細胞からのヒスタミンの遊離を抑える作用を示し、花粉、ハウスダスト(室内塵(じん))等による鼻アレルギー症状の緩和を目的として、通常、抗ヒスタミン成分と組み合わせて配合される。注意点が多いので確認しておこう。
d 局所麻酔成分
・局所麻酔成分は、皮膚や粘膜などの局所に適用されると、その周辺の知覚神経に作用して刺激の伝達を可逆的に遮断する作用を示す。
・鼻粘膜の過敏性や痛み、痒(かゆ)みを抑えることを目的で、局所麻酔成分(リドカイン、リドカイン塩酸塩等)が配合されることがある。
e 殺菌消毒成分
・鼻粘膜を清潔に保ち、細菌による二次感染を防止することを目的として、以下の殺菌消毒成分が配合されることがある。
f 抗炎症成分(グリチルリチン酸二カリウム)
・鼻粘膜の炎症を和らげることを目的として、グリチルリチン酸二カリウムが配合されている場合がある。
相互作用
・アドレナリン作動成分や抗ヒスタミン成分は、鼻炎用点鼻薬のほかにも様々な薬の成分として用いられることがあるので、相互作用に注意が必要である。
受診勧奨
・鼻炎用内服薬の使用にあたっては、以下の点に注意が必要である。状況によっては医療機関の受診が必要となる。