問題を解く

マオウ(麻黄)

・マオウ科のEphedra sinica Stapf、Ephedra intermedia Schrenk et C. A. Meyer または Ephedra equisetina Bungeの地上茎を基原とする生薬で、かぜ薬や鎮咳去痰(ちんがいきょたん)薬に配合される。漢方処方製剤でもよく用いられるが、依存性がある生薬成分であることには注意したい。

・かぜ薬に配合されるマオウは、アドレナリン作動成分のプソイドエフェドリン塩酸塩と同様の作用を示す。つまり、交感神経系を刺激して気管支を拡張させる作用を持つ。

・鎮咳去痰薬に配合された場合、中枢神経系に対する作用が鎮咳去痰薬に含まれる他の成分に比べ強いとされる・気管支拡張のほか、発汗促進、利尿等の作用も期待される。

マオウ(麻黄)

マオウ(麻黄)

マオウを含むものは「相談すること」の対象となることが多い

・マオウ(構成生薬にマオウを含む漢方処方製剤やアドレナリン作動成分も同様。)は、交感神経系への刺激作用によって、心臓病、高血圧、糖尿病または甲状腺機能亢進症の診断を受けた人では、症状を悪化させるおそれがある。また、心臓血管系や、肝臓でのエネルギー代謝等にも影響が生じることが考えられる。

・これらの診断を受けた人では、症状を悪化させるおそれがあり、使用する前にその適否につき、治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に相談がなされるべきである。

心臓病

・「心臓病」と診断された人では、マオウの使用にあたり「相談すること」と記載することとされている。心臓に負担をかけ、心臓病を悪化させるおそれがあるため。

糖尿病

・「糖尿病」と診断された人では、マオウの使用にあたり「相談すること」と記載することとされている。マオウには肝臓でグリコーゲンを分解して血糖値を上昇させる作用があり、糖尿病の症状を悪化させるおそれがあるため

高血圧

・「高血圧」と診断された人では、マオウの使用にあたり「相談すること」と記載することとされている。交感神経興奮作用により血圧を上昇させ、高血圧を悪化させるおそれがあるため。

甲状腺機能亢進症

・「甲状腺機能亢進(こうしん)症」と診断された人では、マオウの使用にあたり「相談すること」と記載することとされている。甲状腺機能亢進症の主症状は交感神経系の緊張等によってもたらされており、交感神経系を興奮させるマオウやアドレナリン作動成分は、症状を悪化させるおそれがあるため。

排尿困難

・「排尿困難」と診断された人では、構成生薬としてマオウを含む漢方処方製剤の使用にあたり「相談すること」と記載することとされている。排尿筋の弛緩(しかん)と括約筋の収縮が起こり、尿の貯留をきたすおそれがあるため。特に、前立腺肥大症を伴っている場合、尿閉を引き起こすおそれがあるため。

高齢者

・高齢者では、心臓病や高血圧、糖尿病の基礎疾患がある場合が多く、また、一般的に心悸亢進(しんきこうしん)や血圧上昇、血糖値上昇を招きやすいので、マオウを使用する前にその適否を十分考慮し、使用する場合にはそれらの初期症状等に常に留意する等、慎重な使用がなされることが重要である。