薏苡仁湯の過去問 1/3/2025年度 中国・四国ブロック
鎮痛の目的で用いられる漢方処方製剤に関する記述のうち、正しいものはどれか。
1 芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)は、体力に関わらず使用でき、筋肉の急激な痙攣(けいれん)を伴う痛みのあるもののこむらがえり等に適すとされ、長期間の服用が推奨される。
2 薏苡仁湯(よくいにんとう)は、体力中等度で、関節や筋肉のはれや痛みがあるものの関節痛等に適すとされ、構成生薬としてカンゾウ及びマオウを含む。
3 釣藤散(ちょうとうさん)は、体力中等度で、慢性に経過する頭痛、めまい、肩こりなどがあるものの慢性頭痛、神経症、高血圧の傾向のあるものに適すとされ、胃腸虚弱で冷え症の人にも向いている。
4 呉茱萸湯(ごしゅゆとう)は、体力中等度以下で、手足が冷えて肩がこり、ときにみぞおちが膨満するものの頭痛等に適すとされ、構成生薬としてカンゾウを含む。
正答
1 芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)は、体力に関わらず使用でき、筋肉の急激な痙攣(けいれん)を伴う痛みのあるもののこむらがえり等に適すとされ、長期間の服用が推奨される。 あなたの解答
2 薏苡仁湯(よくいにんとう)は、体力中等度で、関節や筋肉のはれや痛みがあるものの関節痛等に適すとされ、構成生薬としてカンゾウ及びマオウを含む。 あなたの解答 正答
3 釣藤散(ちょうとうさん)は、体力中等度で、慢性に経過する頭痛、めまい、肩こりなどがあるものの慢性頭痛、神経症、高血圧の傾向のあるものに適すとされ、胃腸虚弱で冷え症の人にも向いている。 あなたの解答
4 呉茱萸湯(ごしゅゆとう)は、体力中等度以下で、手足が冷えて肩がこり、ときにみぞおちが膨満するものの頭痛等に適すとされ、構成生薬としてカンゾウを含む。 あなたの解答
解説
×1 芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)は、体力に関わらず使用でき、筋肉の痙攣(けいれん)を伴う痛みのある者のこむらがえり、筋肉の痙攣、腹痛、腰痛に適すとされる。ただし、症状があるときのみの服用にとどめ、連用は避ける。
○2 正しい。
×3 釣藤散(ちょうとうさん)は、体力中等度で、慢性に経過する頭痛、めまい、肩こりなどがあるものの慢性頭痛、神経症、高血圧の傾向のあるものに適すとされるが、胃腸虚弱で冷え性の人には不向きとされる。
×4 呉茱萸湯(ごしゅゆとう)は、体力中等度以下で、手足が冷えて肩がこり、ときにみぞおちが膨満するものの頭痛、頭痛に伴う吐きけ・嘔吐(おうと)、しゃっくりに適すとされる。なお、構成生薬としてカンゾウを含まない。
基本事項
漢方処方製剤
・鎮痛の目的で用いられる漢方処方製剤は以下の9つである。

痛み、発熱が起こるしくみ
・痛みは病気や外傷などに対する警告信号として起こる。ただし、月経痛(生理痛)などのように、必ずしも病気が原因とは言えない痛みもある。
・発熱は細菌やウイルス等の感染等に対する生体防御機能の一つとして引き起こされる症状である。
▼ 痛みと発熱の概要

痛みとプロスタグランジン
・プロスタグランジンはホルモンに似たはたらきをする物質で、病気や外傷があるときに活発に産生されるようになる。
・プロスタグランジンは、身体の各部位で発生した痛みが脳に伝わる際に、そのシグナルを増殖することで痛みの感覚を強めている。

・プロスタグランジンには、他にも脳の下部にある体温を調節する部位(温熱中枢)に作用して体温を通常よりも高く維持するよう調節する作用がある。ちなみに、高体温はウイルスの増殖を抑えたり、免疫機構のはたらきを高める体内環境といえる。
・上記以外にも、プロスタグランジンは、炎症の発生に関与したり、頭痛や関節痛を増強させる作用、胃酸分泌調節作用や胃粘膜保護作用がある。
解熱鎮痛薬のはたらき
・解熱鎮痛薬とは、発熱や痛みの原因となっている病気や外傷を根本的に治すものではなく、病気や外傷が原因で生じている発熱や痛みを緩和するために使用される医薬品(内服薬)の総称である。

・解熱鎮痛成分によって、解熱、鎮痛、抗炎症のいずれの作用が中心的となるかなどの性質が異なる。なお、専ら外用剤として局所的な鎮痛や抗炎症を目的として使用される成分もある。
代表的な配合成分等、主な副作用
・解熱鎮痛成分を中心に、カフェイン類や胃酸を中和する成分など、様々な成分が配合される。

解熱鎮痛成分
・解熱鎮痛成分は、化学的に合成された成分と生薬成分とに大別される。
化学的に合成された成分
・以下の痛みの鎮痛に用いられる。 悪寒・発熱時の解熱 頭痛 歯痛 抜歯後の疼痛(とうつう) 咽喉痛(喉の痛み) 耳痛 関節痛 神経痛 腰痛 筋肉痛 肩こり痛 打撲痛 骨折痛 捻挫(ねんざ)痛 月経痛(生理痛) 外傷痛
・解熱に関しては、中枢神経系におけるプロスタグランジンの産生抑制作用のほか、腎臓における水分の再吸収を促して循環血流量を増し、発汗を促進する作用も寄与している。
解熱のしくみと副作用、気をつけるべき人
・解熱鎮痛薬は、中枢神経系や腎臓、体の各部(末梢)に作用することで熱を下げる。これらの作用は、胃などの臓器に負担をかけたり、心臓、腎臓、肝臓に障害がある人の症状を悪化させる可能性があるので、気をつけておきたい。

化学的に合成された解熱鎮痛成分に共通する、まれに生じる重篤な副作用
・まれではあるが、解熱鎮痛成分の使用により以下の重篤な副作用が現れる可能性がある。

解熱鎮痛成分が使用上の注意の記載で「相談すること」と明記されているケース
・アスピリン、サザピリン、エテンザミド、サリチルアミド、イブプロフェン、イソプロピルアンチピリンなどを妊娠末期のラットに投与した実験において、胎児に弱い動脈管の収縮がみられたとの報告があるため、妊婦又は妊娠していると思われる人の使用時には「相談すること」とされている。
・なお、アスピリンについては、動物実験(ラット)で催奇形性が表れたとの報告がある。また、イソプロピルアンチピリンについては、化学構造が類似した他のピリン系解熱鎮痛成分において、動物実験(マウス)で催奇形性が報告されている。
出典: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」に準拠。