消風散の過去問 3/3/2025年度 東京都
内服アレルギー用薬として使用される漢方処方製剤に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 消風散(しょうふうさん)は、比較的体力があるものの鼻づまり、蓄膿(ちくのう)症(副鼻腔炎)、慢性鼻炎に適すとされる。
b 辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)は、体力中等度以上で、濃い鼻汁が出て、ときに熱感を伴うものの鼻づまり、慢性鼻炎、蓄膿症(副鼻腔炎)に適すとされる。
c 荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)は、体力中等度なものの皮膚疾患で、発赤があり、ときに化膿(かのう)するものの化膿性皮膚疾患・急性皮膚疾患の初期、蕁麻疹(じんましん)、湿疹・皮膚炎、水虫に適すとされる。
d 当帰飲子(とうきいんし)は、体力中等度以下で、冷え症で、皮膚が乾燥するものの湿疹・皮膚炎(分泌物の少ないもの)、痒(かゆ)みに適すとされる。
1(a、b)
2(a、c)
3(a、d)
4(b、c)
5(b、d)
正答
1(a、b) あなたの解答
2(a、c) あなたの解答
3(a、d) あなたの解答
4(b、c) あなたの解答
5(b、d) あなたの解答 正答
解説
×a 選択肢aの内容は、葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)の説明となっている。消風散(しょうふうさん)は、体力中等度以上の人の皮膚疾患で、痒みが強くて分泌物が多く、ときに局所の熱感があるものの湿疹・皮膚炎、蕁麻疹、水虫、あせもに適すとされている。
○b 正しい。
×c 選択肢cの内容は、十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)の説明となっている。荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)は、体力中等度以上で皮膚の色が浅黒く、ときに手足の裏に脂汗をかきやすく腹壁が緊張している者の蓄膿(ちくのう)症(副鼻腔炎)、慢性鼻炎、慢性扁桃(へんとう)炎、にきびに適すとされる。
○d 正しい。
基本事項
漢方処方製剤
・内服アレルギー用薬として使用される漢方処方製剤は以下の8種類で、上の4つは皮膚の症状を主とする人に適すとされる。また、下の4つは鼻の症状を主とする人に適すとされる。なお、茵蔯蒿湯、辛夷清肺湯を除き、いずれも構成生薬としてカンゾウを含む。
・漢方処方製剤では、使用する人の体質と症状にあわせて漢方処方が選択されることが重要である。なお、以下の漢方処方製剤はいずれも1カ月以上の比較的長期間服用されることがある。

・漢方の考え方に基づくと、生体に備わっている自然治癒の働きに不調を生じるのは、体内における様々な循環がバランスよく行われないことによるとされている。
内服アレルギー薬
・内服アレルギー用薬は、蕁麻疹(じんましん)や湿疹(しっしん)、かぶれ及びそれらに伴う皮膚のかゆみや鼻炎に用いられる内服薬の総称である。

▼ 内服アレルギー用薬と鼻炎用内服薬の違い
・内服アレルギー用薬は、ヒスタミンの働きを抑える作用を示す成分(抗ヒスタミン成分)を主体として配合されている。
・抗ヒスタミン成分に加えて、急性鼻炎、アレルギー性鼻炎又は副鼻腔炎による諸症状の緩和を目的として、鼻粘膜の充血や腫れを和らげる成分(アドレナリン作動成分)や鼻汁分泌やくしゃみを抑える成分(抗コリン成分)等を組み合わせて配合されたものを鼻炎用内服薬という。

アレルギーを生じるしくみ
[リンク挿入 アレルギー(過敏反応)を生じるしくみ]
アレルゲン
・どのような物質がアレルゲン(抗原)となってアレルギーを生じるかは、人によって異なり、複数の物質がアレルゲンとなることもある。主なアレルゲンは以下の通り。

・花粉は種類により飛散する時期が異なる。スギ、ヒノキ等の樹木は春が中心に、カモガヤ等のイネ科の草本では初夏に、ブタクサやヨモギ等のキク科の草本では真夏から秋口に花粉が飛散する。
アドレナリン作動成分
・鼻炎用内服薬では、交感神経系を刺激して鼻粘膜の血管を収縮させることによって鼻粘膜の充血や腫れを和らげることを目的として、以下のアドレナリン作動成分が含まれることがある。 プソイドエフェドリン塩酸塩 フェニレフリン塩酸塩 メチルエフェドリン塩酸塩★
★ メチルエフェドリン塩酸塩は,血管収縮作用により,かゆみを鎮める効果を期待して,アレルギー用薬でも用いられることがある.
生薬成分
・内服アレルギー用薬に用いられる生薬成分は、以下の通りである。
相互作用

・また、アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む。)と鼻炎用点鼻薬のように、内服薬と外用薬でも同じ成分または同種の作用を有する成分が重複することもあり、それらは相互に影響し合わないとの誤った認識に基づいて、併用されることのないよう注意が必要である。

アレルゲン特定のためには医療機関の受診が必要
・アレルギー症状を軽減するには、日常生活におけるアレルゲンの除去・回避といった根源的な対応が図られることが重要であり、何がアレルゲンとなって症状が生じているのかが見極められることが重要である。なお、アレルゲンを厳密に特定するには医療機関における検査が必要となる。

・皮膚症状が治まると喘息(ぜんそく)が現れるというように、種々のアレルギー症状が連鎖的に現れることがある。このような場合、一般用医薬品によって一時的な対処を図るよりも、医療機関で総合的な診療を受けた方がよい。
受診等を検討すべきケース

【語句解説】アトピー性皮膚炎
・増悪と寛解を繰り返しながら慢性に経過する湿疹で、多くの場合、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎等の病歴又は家族歴がある。
免疫グロブリンによる肥満細胞の刺激とヒスタミン等の作用
・アレルゲンが皮膚や粘膜から体内に入り込むと、その物質を特異的に認識した免疫グロブリン(抗体)によって肥満細胞【語句解説】が刺激され、細胞間の刺激の伝達を担う生理活性物質であるヒスタミンやプロスタグランジン等の物質が遊離する。

【語句解説】肥満細胞(マスト細胞)
・身体中の血管周囲、特に皮膚・皮下組織、肺、消化管、肝臓に存在しており、免疫機構の一端を担う。なお、肥満細胞の名称は、ヒスタミンやプロスタグランジン等の生理活性物質を細胞内に貯蔵するために細胞自体が大きくなることから付いたものであり、肥満症との関連性はない。
出典: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」に準拠。