柴胡桂枝乾姜湯の過去問 2/3/2022年度 関西広域連合
Q:
次の記述にあてはまる漢方処方製剤として、最も適切なものを一つ選べ。
体力中等度以下で、冷え症、貧血気味、神経過敏で、動悸(どうき)、息切れ、ときにねあせ、頭部の発汗、口の渇きがあるものの更年期障害、血の道症、不眠症、神経症、動悸、息切れ、かぜの後期の症状、気管支炎に適すとされる。まれに重篤な副作用として、間質性肺炎、肝機能障害を生じることが知られている。
1 温経湯(うんけいとう)
2 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
3 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
4 四物湯(しもつとう)
5 柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)
正答
1 温経湯(うんけいとう) あなたの解答
2 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) あなたの解答
3 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん) あなたの解答
4 四物湯(しもつとう) あなたの解答
5 柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう) あなたの解答 正答
解説
×1 温経湯(うんけいとう)は、体力中等度以下で、手足がほてり、唇が乾く者の月経不順、月経困難、こしけ(おりもの)、更年期障害、不眠、神経症、湿疹(しっしん)・皮膚炎、足腰の冷え、しもやけ、手あれ(手の湿疹、皮膚炎)に適すとされるが、胃腸の弱い人では不向きとされる。
×2 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)は、体力虚弱で、冷え症で貧血の傾向があり疲労しやすく、ときに下腹部痛、頭重、めまい、肩こり、耳鳴り、動悸などを訴える者の月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、産前産後あるいは流産による障害(貧血、疲労倦怠、めまい、むくみ)、めまい・立ちくらみ、頭重、肩こり、腰痛、足腰の冷え症、しもやけ、むくみ、しみ、耳鳴りに適すとされる。
×3 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)は、比較的体力があり、ときに下腹部痛、肩こり、頭重、めまい、のぼせて足冷えなどを訴える者の、月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、血の道症、肩こり等に適すとされるが、体の虚弱な人では不向きとされる。
×4 四物湯(しもつとう)は、体力虚弱で、冷え症で皮膚が乾燥、色つやの悪い体質で胃腸障害のない者の月経不順、月経異常、更年期障害、血の道症、冷え症、しもやけ、しみ、貧血、産後あるいは流産後の疲労回復に適すとされる。
○5 正しい。
基本事項
漢方処方製剤
・漢方処方製剤は、婦人薬として多くの種類が用いられる。それぞれの薬の特徴を把握しておこう。なお、これらのうち、温経湯、加味逍遙散、五積散、柴胡桂枝乾姜湯、桃核承気湯は構成生薬としてカンゾウを含む。


閉経と更年期障害
・加齢とともに卵巣からの女性ホルモンの分泌が減少していき、やがて月経が停止して、妊娠可能な期間が終了することを閉経という。
・閉経の前後には、更年期(閉経周辺期)と呼ばれる移行的な時期があり、体内の女性ホルモンの量が大きく変動することがある。
・更年期においては、月経周期が不規則になるほか、不定愁訴【語句解説】として血の道症の症状に加え、冷え症、腰痛、頭痛、頭重、ほてり、のぼせ、立ちくらみ等の症状が起こることがある。こうした症候群を更年期障害という。
【語句解説】不定愁訴
・体のどの部位が悪いのかはっきりしない訴えで、全身の倦怠(けんたい)感や疲労感、微熱感などを特徴とする。更年期障害のほか、自律神経失調症等の心身症の症状として現れることが多い。
・閉経の前後には、更年期(閉経周辺期)と呼ばれる移行的な時期があり、体内の女性ホルモンの量が大きく変動することがある。
・体のどの部位が悪いのかはっきりしない訴えで、全身の倦怠(けんたい)感や疲労感、微熱感などを特徴とする。更年期障害のほか、自律神経失調症等の心身症の症状として現れることが多い。
血の道症
・血の道症とは、臓器・組織の形態的異常がなく、抑鬱(よくうつ)や寝つきが悪くなる、神経質、集中力の低下等の精神神経症状が現れる病態である。
・血の道症は、月経、妊娠、分娩(ぶんべん)、産褥(さんじょく。分娩後、母体が通常の身体状態に回復するまでの期間)、更年期等の生理現象や、流産、人工妊娠中絶、避妊手術などを原因とする異常生理によって起こるとされ、範囲が更年期障害よりも広く、年齢的に必ずしも更年期に限らない。
・血の道症は、月経、妊娠、分娩(ぶんべん)、産褥(さんじょく。分娩後、母体が通常の身体状態に回復するまでの期間)、更年期等の生理現象や、流産、人工妊娠中絶、避妊手術などを原因とする異常生理によって起こるとされ、範囲が更年期障害よりも広く、年齢的に必ずしも更年期に限らない。
不定愁訴の原因に注意
・頭痛や鬱状態、動悸(どうき)・息切れ等の更年期障害の不定愁訴とされる症状の背景に、原因となる病気が存在する可能性もある。更年期は様々な病気が起こりやすい年齢でもあり、そのような原因が見いだされた場合には、その治療が優先される必要がある。
・医薬品の販売等に従事する専門家においては、購入者等に対して、一般用医薬品の使用による対処は一時的なものに止め、症状が継続するようであれば医療機関を受診するよう促していくことが重要である。
月経の概要
・女性の月経は、子宮の内壁を覆っている膜(子宮内膜)が剥(はが)れ落ち、血液(経血)と共に排出される生理現象で、一生のうち妊娠可能な期間に、妊娠期間中などを除き、ほぼ毎月、周期的に起こる。 
月経前症候群
・血の道症のうち、月経の約10〜3日前に現れ、月経開始と共に消失する腹部膨満感、頭痛、乳房痛などの身体症状や感情の不安定、抑うつなどの精神症状を主体とするものを、月経前症候群という。 
婦人薬の効能・効果
・婦人薬は、月経及び月経周期に伴って起こる症状を中心として、女性に現れる特有な諸症状(血行不順、自律神経系の働きの乱れ、生理機能障害等の全身的な不快症状)の緩和と、保健を主たる目的とする医薬品である。その効能・効果は幅広いので、以下確認しておこう。 
代表的な配合成分等、主な副作用
・婦人薬には、女性ホルモン成分や生薬、ビタミンを中心に配合される。詳細は各項目で説明する。
▼ 婦人薬の主な配合成分
▼ 婦人薬の主な配合成分
女性ホルモン成分(エチニルエストラジオール)
・女性ホルモン成分を補充する成分として、人工的に合成された女性ホルモンの一種であるエチニルエストラジオールは、エストラジオール(女性ホルモンの一種)を補充するものである。それぞれ適用部位から吸収され、循環血液中に移行する。
・女性ホルモン成分の使用にあたっては、注意すべき点がある。十分確認しておこう。
▼ 女性ホルモン成分の使用を避けるべき人と注意点
・女性ホルモン成分の使用にあたっては、注意すべき点がある。十分確認しておこう。
▼ 女性ホルモン成分の使用を避けるべき人と注意点
生薬成分
・婦人薬には、鎮静や鎮痛作用を期待して多くの生薬が用いられる。十分確認しておこう。
▼ 婦人薬に用いられる生薬成分
▼ 婦人薬に用いられる生薬成分
出典: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」に準拠。