芎帰膠艾湯の過去問 1/3/2021年度 九州・沖縄ブロック
Q:
以下の記述にあてはまる内用痔疾用薬の漢方処方製剤として、最も適切なものを下から一つ選びなさい。
体力中等度以下で冷え症で、出血傾向があり胃腸障害のないものの痔出血、貧血、月経異常・不正出血、皮下出血に適すとされるが、胃腸が弱く下痢しやすい人では、胃部不快感、腹痛、下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。
1 竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)
2 八味地黄丸(はちみじおうがん)
3 乙字湯(おつじとう)
4 芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)
正答
1 竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう) あなたの解答
2 八味地黄丸(はちみじおうがん) あなたの解答
3 乙字湯(おつじとう) あなたの解答
4 芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう) あなたの解答 正答
解説
×1 竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)は、体力中等度以上で、下腹部に熱感や痛みがある者の排尿痛、残尿感、尿のにごり、こしけ(おりもの)、頻尿に適すとされる。
×2 八味地黄丸(はちみじおうがん)は、体力中等度以下で、疲れやすくて四肢が冷えやすく、尿量減少または多尿で、ときに口渇がある者の下肢痛、腰痛、しびれ、高齢者のかすみ目、かゆみ、排尿困難、残尿感、夜間尿、頻尿、むくみ、高血圧に伴う随伴症状(肩こり、頭重、耳鳴り)の改善、軽い尿もれに適すとされる。
×3 乙字湯(おつじとう)は、体力中等度以上で大便が硬く、便秘傾向のある者の痔核(いぼ痔)、切れ痔、便秘、軽度の脱肛に適すとされている。
○4 正しい。
基本事項
漢方処方製剤
・痔に用いられる漢方処方製剤としては、乙字湯(おつじとう)と芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)をおさえておこう。 

内用痔疾用薬
・内用痔(じ)疾用薬は、比較的緩和な抗炎症作用、血行改善作用を目的とする成分のほか、瀉下(しゃげ)・整腸成分等が配合されたもので、外用痔疾用薬と併せて用いると効果的なものである。
・内用痔(じ)疾用薬は、生薬成分を中心に、以下のような成分を組み合わせて配合されている。
・内用痔(じ)疾用薬は、生薬成分を中心に、以下のような成分を組み合わせて配合されている。
痔疾用薬の分類
・一般用医薬品の痔疾用薬には、肛門部または直腸内に適用する外用薬(外用痔疾用薬)と内服して使用する内用薬(内用痔疾用薬)がある。
・いずれもその使用と併せて、痔を生じた要因となっている生活習慣の改善等を図ることが重要である。
痔の発症
・痔(じ)は、肛門付近の血管がうっ血し、肛門に負担がかかることによって生じる肛門の病気の総称で、その主な病態としては、痔核(じかく)、裂肛(れっこう)、痔瘻(じろう)がある。 
痔核(いぼ痔)
・痔核(いぼ痔)は、肛門に存在する細かい血管群が部分的に拡張し、肛門内にいぼ状の腫れが生じた状態である。内痔核と外痔核に分けられる。
・便秘や長時間同じ姿勢でいるなど、肛門部に過度の圧迫をかけることが、痔核を生じる主な要因とされる。
裂肛(切れ痔、裂け痔)
・裂肛(れっこう。切れ痔、裂け痔)は、肛門の出口からやや内側の上皮に傷が生じた状態である。
・裂肛は、便秘等により硬くなった糞便を排泄する際や、下痢の便に含まれる多量の水分が肛門の粘膜に浸透して炎症を起こしやすくなった状態で、勢いよく便が通過する際に粘膜が傷つけられることで生じる。
痔瘻(じろう)
・痔瘻は、肛門内部の肛門腺窩(せんか)という小さなくぼみの部分に糞便の滓(かす)が溜まって炎症・化膿(かのう)を生じた状態である。
・体力低下等により抵抗力が弱まっているときに起こりやすい。
・体力低下等により抵抗力が弱まっているときに起こりやすい。
痔の予防
・痔の予防には、血行を良くすることや、食物繊維の摂取、香辛料などを避けることが効果的である。 
外用痔(じ)疾用薬
・外用痔疾用薬は、痔核(いぼ痔)または裂肛(切れ痔)による痛み、かゆみ、腫れ、出血等の緩和、患部の消毒を目的とする坐剤(ざざい)、軟膏剤(注入軟膏を含む。)または外用液剤である。
・外用痔疾用薬に配合される成分は以下の8つに大別される。詳細は各項目で説明する。
・外用痔疾用薬は局所に適用されるものであるが、坐剤及び注入軟膏では、成分の一部が直腸粘膜から吸収されて循環血流中に入りやすく、全身的な影響を生じることがあるため、配合成分によっては注意を要する場合がある。
・外用痔疾用薬に配合される成分は以下の8つに大別される。詳細は各項目で説明する。
局所麻酔成分
・局所麻酔成分は、皮膚や粘膜などの局所に適用されると、その周辺の知覚神経に作用して、刺激伝導を可逆的に遮断(しゃだん)する作用を示す。痔に伴う痛み、かゆみを和らげることを目的として、以下の局所麻酔成分が用いられる。
・リドカイン、リドカイン塩酸塩、アミノ安息香酸エチル、ジブカイン塩酸塩が配合された坐剤(ざざい)および注入軟膏では、まれに重篤な副作用としてショック(アナフィラキシー)を生じることがある。
出典: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」に準拠。