桂枝湯の過去問 1/3/2024年度 中国・四国ブロック
かぜ薬に配合される漢方処方成分又は単独でかぜの症状緩和に用いられる漢方処方製剤に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
1 香蘇散(こうそさん)は、体力虚弱で、神経過敏で気分がすぐれず胃腸の弱いもののかぜの初期、血の道症に適すとされる。
2 漢方処方製剤としての麻黄湯(まおうとう)は、マオウの含有量が多くなるため、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)は使用を避ける必要がある。
3 桂枝湯(けいしとう)は、インターフェロン製剤で治療を受けている人では、間質性肺炎の副作用が現れるおそれが高まるため、使用を避ける必要がある。
4 葛根湯(かっこんとう)は、まれに重篤な副作用として、肝機能障害、偽アルドステロン症を生じることが知られている。
正答
1 香蘇散(こうそさん)は、体力虚弱で、神経過敏で気分がすぐれず胃腸の弱いもののかぜの初期、血の道症に適すとされる。 あなたの解答
2 漢方処方製剤としての麻黄湯(まおうとう)は、マオウの含有量が多くなるため、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)は使用を避ける必要がある。 あなたの解答
3 桂枝湯(けいしとう)は、インターフェロン製剤で治療を受けている人では、間質性肺炎の副作用が現れるおそれが高まるため、使用を避ける必要がある。 あなたの解答 正答
4 葛根湯(かっこんとう)は、まれに重篤な副作用として、肝機能障害、偽アルドステロン症を生じることが知られている。 あなたの解答
解説
◯1 正しい。
◯2 正しい。
×3 選択肢3の内容は、小柴胡湯(しょうさいことう)があてはまる。
◯4 正しい。
基本事項
漢方処方成分等(9つ)
・かぜ薬に配合される漢方処方成分、または単独でかぜの症状緩和に用いられる漢方処方製剤の主なものは以下の9つである。しっかり確認しておこう。
・以下9つの漢方処方製剤のうち、半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)以外はカンゾウを含む。また、麻黄湯(まおうとう)、葛根湯(かっこんとう)、小青竜湯(しょうせいりゅうとう)にはマオウを含む。いずれも頻出事項なので覚えておきたい。
桂枝湯、香蘇散、小青竜湯
・小青竜湯はかぜの症状の緩和以外にも用いられ、比較的長期間(1カ月くらい)服用されることがある。

セミアルカリプロティナーゼ、ブロメライン
・いずれもタンパク質分解酵素で、体内で産生される炎症物質(起炎性ポリペプチド)を分解する作用がある。
・炎症を生じた組織では、毛細血管やリンパ管にフィブリン類似の物質が沈着して炎症浸出物が貯留しやすくなるが、それらの沈着物質と分解して浸出物の排出を促し、炎症による腫れを和らげる。
・セミアルカリプロティナーゼには、痰粘液の粘り気を弱めて痰を切れやすくするはたらきもある。
■ 血液凝固異常に注意
・セミアルカリプロティナーゼ、ブロメラインとも、フィブリノゲンやフィブリンを分解する作用がある。血液凝固異常がある人では出血傾向を悪化させるおそれがあるので、医師や薬剤師への相談が必要。
・血液凝固異常がない人でも、まれに血痰や鼻血などの出血性の副作用を生じることがある。
■ 肝機能障害がある人でも注意
・肝機能障害があると代謝や排泄が遅延して、肝機能障害の症状が現れやすくなる。肝臓病を抱える人は医師や薬剤師に相談すべきである。
グリチルリチン酸二カリウム
・グリチルリチン酸二カリウムの作用本体であるグリチルリチン酸は、化学構造がステロイド性抗炎症成分に類似していることから、抗炎症作用を示すと考えられている。
・グリチルリチン酸を含む生薬成分として、カンゾウが配合されることもある。
■ グリチルリチン酸は過剰摂取・長期連用に注意
・医薬品ではグリチルリチン酸として1日摂取量が200mgを超えないよう容量が定められているが、グリチルリチン酸はかぜ薬以外の医薬品に含まれていたり、甘味料として一般食品や医薬部外品に広く用いられる。登録販売者は、購入者に対してグリチルリチン酸の摂取量が継続して過剰にならないよう注意を促す必要がある。
・どのような人が対象であっても、1日最大服用量がグリチルリチン酸として40mg以上となる製品は長期連用を避ける。
■ グリチルリチン酸の大量摂取と偽アルドステロン症
・グリチルリチン酸を大量に摂取すると、偽アルドステロン症を生じるおそれがある。むくみ、心臓病、腎臓病または高血圧の人、高齢者では偽アルドステロン症を生じるリスクが高い。そのため、それらの人に1日最大服用量が40mg以上の製品を使用する場合は、事前に医師または薬剤師に相談する。
・それとともに、偽アルドステロン症の初期症状に常に留意するなど、慎重に使用する。
かぜ薬の主な副作用
・かぜ薬の重篤な副作用は、配合されている解熱鎮痛成分(生薬成分を除く。)によるものが多い。まれに、ショック(アナフィラキシー)、皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症、喘息(ぜんそく)、間質性肺炎が起きることがあるが、これらはかぜ薬(漢方処方成分、生薬成分のみから成る場合を除く。)の使用上の注意では、配合成分によらず共通に記載されている。

かぜの諸症状
・かぜ(感冒)は、主にウイルスが鼻や喉などに感染して起こる上気道の急性炎症の総称である。
・「かぜ」は単一の疾患ではなく、医学的には「かぜ症候群」という。

・かぜに罹患(りかん)すると、以下のように呼吸器症状と全身症状が組み合わさって現れる。

かぜの原因(約8割はウイルス)
・かぜの原因の約8割はウイルス(ライノウイルス、コロナウイルス、アデノウイルスなど)の感染によるものである。

・残りは細菌の感染を原因とするものが多いが、冷気や乾燥、アレルギーのような非感染性の要因による場合もある。
かぜに類似した症状を起こす疾患
・以下の疾患(病気)では、かぜとよく似た症状が現れる。急激な発熱を伴う場合や、症状が4日以上続くとき、症状が重篤なときはかぜでない可能性が高い。

出典: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」に準拠。