桂枝加芍薬湯の過去問 3/3/2021年度 奈良県
腸の薬及びその配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。
a ビフィズス菌、乳酸菌等の生菌成分は、腸内細菌のバランスを整えることを目的として用いられる。
b ケツメイシは、マメ科のエビスグサ又はカッシア・トーラの種子を基原とする生薬で、整腸、腹部膨満感等に用いられる。
c トリメブチンマレイン酸塩は、腸粘膜のタンパク質と結合して不溶性の膜を形成し、腸粘膜をひきしめることにより、腸粘膜を保護する。
d 桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)は、体力中等度以下で腹部膨満感のある人のしぶり腹、腹痛、下痢、便秘に適すとされる。
a b c d
1 誤 誤 正 正
2 正 誤 正 誤
3 誤 正 誤 誤
4 正 正 誤 正
5 正 誤 正 正
正答
a b c d
1 誤 誤 正 正 あなたの解答
2 正 誤 正 誤 あなたの解答
3 誤 正 誤 誤 あなたの解答
4 正 正 誤 正 あなたの解答 正答
5 正 誤 正 正 あなたの解答
解説
○a 正しい。
○b 正しい。
×c トリメブチンマレイン酸塩は、整腸成分として腸の薬に配合される。具体的には、消化管の平滑筋を支配している自律神経に働いて、消化管運動が低下しているときは亢進的に、運動が亢進しているときは抑制的に働くとされる。腸粘膜を保護することを目的として配合される収斂成分として、次没食子酸ビスマスなどのビスマスを含む成分やタンニン酸アルブミンが配合される。
○d 正しい。
基本事項
ケツメイシ
・ケツメイシは、マメ科のエビスグサまたはCassia tora Linnéの種子を基原とする生薬である。
・日本薬局方収載のケツメイシ、ゲンノショウコについては、煎薬として整腸(便通を整える。)、腹部膨満感等に用いられる。
▼ ケツメイシ

整腸成分
・整腸薬は、腸内細菌の数やバランスを整えたり、腸の活動を促すことで、腸の調子を整える薬である。生菌成分や生薬成分、トリメブチンマレイン酸塩が配合される。

トリメブチンマレイン酸塩
・トリメブチンマレイン酸塩は、消化管(胃および腸)の平滑筋に直接作用して、消化管の運動を調整する作用があるとされる。
▼ トリメブチマレイン酸塩の作用イメージ

①収斂成分
・腸粘膜のタンパク質と結合して不溶性の膜を形成し、腸粘膜をひきしめる(収斂(しゅうれん))ことにより、腸粘膜を保護することを目的として、次没食子酸(じもつしょくしさん)ビスマスなどの成分が含まれる。

ピコスルファートナトリウム
・ピコスルファートナトリウムは、胃や小腸では分解されないが、大腸に生息する腸内細菌によって分解されて、大腸への刺激作用を示すようになる。
⑤マルツエキス
・マルツエキスは、その主成分である麦芽糖が腸内細菌によって分解(発酵)して生じるガスによって便通を促すとされている。
・瀉下(しゃげ)薬としては比較的作用が穏やかなため、主に乳幼児の便秘に用いられる。

毎日の排便が滞る時は他の方法を指導する
大腸刺激性瀉下(しゃげ)成分配合の瀉下薬は、服用してから数時間後に効果のあるものが多いので、就寝前に服用して起床時に効果を求めると、排便のリズムも付きやすい。 ただ、毎日漫然と同じ瀉下薬を連続して服用していると、腸の運動が緩慢になり、服用する薬の量を増やさないと効果が出なくなることが多い。大腸刺激性瀉下成分配合の瀉下薬は、便秘時の頓服として使用すべきで、毎日の排便が滞るような時は以下のアドバイスを検討し、大腸刺激性瀉下成分のみに依存しない方法を指導することが必要である。
▼ 毎日の排便が滞る際にアドバイスを検討すべきこと 無機塩類や膨潤性瀉下成分の製剤を使用する ビフィズス菌や乳酸菌などの整腸成分の製剤を並行して使用する 食物繊維を積極的に摂る
腸の役割
・腸は、胃で細分化された栄養素や水分が、体内に吸収されるために必要な臓器で、小腸と大腸に大別できる。胃で消化された栄養素は、その後小腸、さらには大腸へと移動する。
・小腸では主に栄養素や水分の吸収を行い、一部栄養素の消化も行う。大腸では腸内容物の水分量を調整し、糞便生成を行う。

腸の不調と症状
・腸における消化、栄養成分や水分の吸収が正常に行われなかったり、腸管がその内容物を送り出す運動に異常を生じると、便秘や軟便、下痢といった症状が現れる。

下痢と便秘の主な発生原因
・下痢と便秘は、様々な原因により発生する。体の冷えやストレスで起こることが多いが、慢性の下痢では腸自体の病変も懸念される。また、便意をがまんすることが多い人では慢性の便秘になりやすい。

出典: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」に準拠。