桂枝茯苓丸の過去問 2/3/2024年度 九州・沖縄ブロック
婦人薬に関する以下の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。
1 エチニルエストラジオールは、人工的に合成された女性ホルモンの一種であり、長期連用により血栓症を生じるおそれがある。
2 桃核承気湯(とうかくじょうきとう)は、体の虚弱な人、胃腸が弱く下痢しやすい人では、激しい腹痛を伴う下痢等の副作用が現れやすい。
3 血行を促進する作用を期待して、ビタミンEが配合されていることがある。
4 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)は、体力中等度以下で、冷え症、貧血気味、神経過敏で、動悸、息切れ、ときにねあせ、頭部の発汗、口の渇きがあるものの更年期障害、血の道症、不眠症、神経症、動悸、息切れ、かぜの後期の症状、気管支炎に適すとされる。
正答
1 エチニルエストラジオールは、人工的に合成された女性ホルモンの一種であり、長期連用により血栓症を生じるおそれがある。 あなたの解答
2 桃核承気湯(とうかくじょうきとう)は、体の虚弱な人、胃腸が弱く下痢しやすい人では、激しい腹痛を伴う下痢等の副作用が現れやすい。 あなたの解答
3 血行を促進する作用を期待して、ビタミンEが配合されていることがある。 あなたの解答
4 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)は、体力中等度以下で、冷え症、貧血気味、神経過敏で、動悸、息切れ、ときにねあせ、頭部の発汗、口の渇きがあるものの更年期障害、血の道症、不眠症、神経症、動悸、息切れ、かぜの後期の症状、気管支炎に適すとされる。 あなたの解答 正答
解説
◯1 正しい。
◯2 正しい。
◯3 正しい。
×4 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)は、比較的体力があり、ときに下腹部痛、肩こり、頭重、めまい、のぼせて足冷えなどを訴える者の月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害などに適すとされる。選択肢4の内容は、柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)の説明となっている。
基本事項
女性ホルモン成分(エチニルエストラジオール)
・女性ホルモン成分を補充する成分として、人工的に合成された女性ホルモンの一種であるエチニルエストラジオールは、エストラジオール(女性ホルモンの一種)を補充するものである。それぞれ適用部位から吸収され、循環血液中に移行する。
・女性ホルモン成分の使用にあたっては、注意すべき点がある。十分確認しておこう。
▼ 女性ホルモン成分の使用を避けるべき人と注意点

閉経と更年期障害
・加齢とともに卵巣からの女性ホルモンの分泌が減少していき、やがて月経が停止して、妊娠可能な期間が終了することを閉経という。
・閉経の前後には、更年期(閉経周辺期)と呼ばれる移行的な時期があり、体内の女性ホルモンの量が大きく変動することがある。

・更年期においては、月経周期が不規則になるほか、不定愁訴【語句解説】として血の道症の症状に加え、冷え症、腰痛、頭痛、頭重、ほてり、のぼせ、立ちくらみ等の症状が起こることがある。こうした症候群を更年期障害という。

【語句解説】不定愁訴
・体のどの部位が悪いのかはっきりしない訴えで、全身の倦怠(けんたい)感や疲労感、微熱感などを特徴とする。更年期障害のほか、自律神経失調症等の心身症の症状として現れることが多い。
ビタミン成分
・疲労時に消耗しがちなビタミンの補給を目的として、以下の成分が配合されることがある。

・また、血行を促進する作用を目的として、ビタミンE(トコフェロールコハク酸エステル等)が配合されることがある。
代表的な配合成分等、主な副作用
・婦人薬には、女性ホルモン成分や生薬、ビタミンを中心に配合される。詳細は各項目で説明する。
▼ 婦人薬の主な配合成分

血の道症
・血の道症とは、臓器・組織の形態的異常がなく、抑鬱(よくうつ)や寝つきが悪くなる、神経質、集中力の低下等の精神神経症状が現れる病態である。
・血の道症は、月経、妊娠、分娩(ぶんべん)、産褥(さんじょく。分娩後、母体が通常の身体状態に回復するまでの期間)、更年期等の生理現象や、流産、人工妊娠中絶、避妊手術などを原因とする異常生理によって起こるとされ、範囲が更年期障害よりも広く、年齢的に必ずしも更年期に限らない。

漢方処方製剤
・漢方処方製剤は、婦人薬として多くの種類が用いられる。それぞれの薬の特徴を把握しておこう。なお、これらのうち、温経湯、加味逍遙散、五積散、柴胡桂枝乾姜湯、桃核承気湯は構成生薬としてカンゾウを含む。

不定愁訴の原因に注意
・頭痛や鬱状態、動悸(どうき)・息切れ等の更年期障害の不定愁訴とされる症状の背景に、原因となる病気が存在する可能性もある。更年期は様々な病気が起こりやすい年齢でもあり、そのような原因が見いだされた場合には、その治療が優先される必要がある。

・医薬品の販売等に従事する専門家においては、購入者等に対して、一般用医薬品の使用による対処は一時的なものに止め、症状が継続するようであれば医療機関を受診するよう促していくことが重要である。
月経の概要
・女性の月経は、子宮の内壁を覆っている膜(子宮内膜)が剥(はが)れ落ち、血液(経血)と共に排出される生理現象で、一生のうち妊娠可能な期間に、妊娠期間中などを除き、ほぼ毎月、周期的に起こる。

月経前症候群
・血の道症のうち、月経の約10〜3日前に現れ、月経開始と共に消失する腹部膨満感、頭痛、乳房痛などの身体症状や感情の不安定、抑うつなどの精神症状を主体とするものを、月経前症候群という。

婦人薬の効能・効果
・婦人薬は、月経及び月経周期に伴って起こる症状を中心として、女性に現れる特有な諸症状(血行不順、自律神経系の働きの乱れ、生理機能障害等の全身的な不快症状)の緩和と、保健を主たる目的とする医薬品である。その効能・効果は幅広いので、以下確認しておこう。

出典: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」に準拠。