加味帰脾湯の過去問 3/3/2021年度 北海道・東北ブロック
眠気を促す薬及びその配合成分に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a ジフェンヒドラミン塩酸塩を含有する医薬品は、慢性的に不眠症状がある人を対象として用いられる。
b ブロモバレリル尿素は、反復して服用すると依存を生じることがある。
c 加味帰脾湯(かみきひとう)は、神経がたかぶり、怒りやすい、イライラなどがあるものの神経症、不眠症、小児夜なき、小児疳(かん)症、歯ぎしり、更年期障害、血の道症に適すとされる。
d 桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)は、心身が疲れ、血色が悪く、ときに熱感を伴うものの貧血、不眠症、精神不安、神経症に適すとされる。
a b c d
1 正 誤 正 正
2 正 正 誤 正
3 誤 正 誤 誤
4 誤 正 正 誤
5 誤 誤 誤 正
正答
a b c d
1 正 誤 正 正 あなたの解答
2 正 正 誤 正 あなたの解答
3 誤 正 誤 誤 あなたの解答 正答
4 誤 正 正 誤 あなたの解答
5 誤 誤 誤 正 あなたの解答
解説
×a 抗ヒスタミン成分(ジフェンヒドラミン塩酸塩)を主薬とする睡眠改善薬は、一時的な睡眠障害の緩和に用いられるものであり、慢性的に不眠症状がある人を対象とするものではない。
○b 正しい。
×c 選択肢cの内容は、抑肝散(よくかんさん)の説明となっている。加味帰脾湯(かみきひとう)は、体力中等度以下で、心身が疲れ、血色が悪く、ときに熱感を伴う者の貧血、不眠症、精神不安、神経症に適すとされる。
×d 選択肢dの内容は、加味帰脾湯(かみきひとう)の説明となっている。桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)は、体力中等度以下で疲れやすく、神経過敏で興奮しやすい者の神経質、不眠症、小児夜なき、夜尿症、眼精疲労、神経症に適するとされる。
基本事項
慢性的な不眠症状や不眠症向けではない
・抗ヒスタミン成分を主薬とする催眠鎮静薬は、睡眠改善薬として一時的な睡眠障害(寝つきが悪い、眠りが浅い)の緩和に用いられるものであり、慢性的に不眠症状がある人や、医療機関において不眠症の診断を受けている人を対象とするものではない。

ブロモバレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素の特徴
・ いずれも脳の興奮を抑え、痛覚を鈍くする作用がある。大脳皮質の機能を抑制し、催眠・鎮静作用を現す。
・眠気を促す薬に含まれているほか、解熱鎮痛薬や鎮暈薬(乗り物酔い薬)に鎮痛作用を助ける目的で配合されることもある。
ブロモバレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素の注意点
・ブロモバレリル尿素やアリルイソプロピルアセチル尿素は、依存性を生じる成分であり、使用を避けるべきケースも多い。十分注意しておこう。

ブロモバレリル尿素の依存性
・反復して摂取すると依存を生じることが知られており、これらの成分が配合された医薬品は、本来の目的から逸脱した使用(乱用)に注意が必要である。

・なお、ブロモバレリル尿素は、「濫用等のおそれのあるものとして厚生労働大臣が指定する医薬品」の一つに指定されている。なお、ブロモバレリル尿素等の鎮静成分を大量摂取したときの応急処置等は、通常の使用状況における場合とは異なり、高度な専門的判断を必要とする。

【語句解説】ベンゾジアゼピン系成分
・抗不安薬、催眠薬、抗けいれん薬、筋弛緩(しかん)薬として用いられる。
・関係機関の専門家に相談する、昏睡や呼吸抑制が起きているようであれば直ちに救命救急が可能な医療機関に連れて行く等の対応を取ることができるよう、十分な説明がなされるべきである。
睡眠に関するトラブルと影響
・はっきりした原因がなくても、日常生活における人間関係のストレスや生活環境の変化等の様々な要因によって自律神経系のバランスが崩れ、寝つきが悪い、眠りが浅い、いらいら感、緊張感、精神興奮、精神不安といった精神神経症状を生じることがある。また、それらの症状のために十分な休息が取れず、疲労倦怠(けんたい)感、寝不足感、頭重等の身体症状を伴う場合もある。
代表的な配合成分等、主な副作用
・眠気を促す薬には、抗ヒスタミン成分とブロモバレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素が主に配合される。その他、生薬成分や漢方処方製剤も用いられる。

ヒスタミンの作用が弱まると、眠気が起こる
・眠気を促す薬に配合されるジフェンヒドラミン塩酸塩【語句解説】は、ヒスタミンによる刺激の発生を抑える作用がある。ヒスタミンによる刺激が減ると、脳の覚醒(かくせい)が妨げられ、眠気が促される。

【語句解説】ジフェンヒドラミン塩酸塩
・抗ヒスタミン成分の中でも特に中枢作用が強い。脳内におけるヒスタミンによる刺激の発生を抑えるため、眠気が促される。
漢方処方製剤
・神経質、精神不安、不眠等の症状の改善を目的とした漢方処方製剤として、以下のものがある。
・ これらの漢方処方製剤は症状の原因となる体質の改善を主眼としているため、いずれの処方も比較的長期間(1カ月位)服用されることが多い。

催眠鎮静薬の役割
・催眠鎮静薬とは、睡眠に関するトラブルが生じたときに睡眠を促したり、精神のたかぶりを鎮めたりすることを目的に使用される医薬品である。
・医療用医薬品で不眠改善のために処方されるものを「催眠鎮静薬」、一般用医薬品では「睡眠改善薬」または「睡眠補助薬」と呼ぶ。
▼ 眠気を促す薬の分類

ヒスタミンと覚醒の維持
・ヒスタミンは、脳の下部にある睡眠・覚醒(かくせい)に関与する部位で神経細胞の刺激を介して、覚醒の維持や調節を行う働きを担う生体内情報伝達物質である。
・ヒスタミンと受容体が結合すると、中枢神経系の覚醒、興奮が起こる。

出典: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」に準拠。