五積散の過去問 1/3/2023年度 東京都
婦人薬及びその配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a エチニルエストラジオールは、人工的に合成された女性ホルモンの一種であり、妊娠中の女性ホルモンの補充のために用いられる。
b 女性の月経や更年期障害に伴う諸症状の緩和に用いられる主な漢方処方製剤として、温経湯(うんけいとう)、加味逍遙散(かみしょうようさん)、柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)があり、これらは構成生薬としてカンゾウを含む。
c 桃核承気湯(とうかくじょうきとう)は、体力中等度以上で、のぼせて便秘しがちなものの月経不順、月経困難症、月経痛、月経時や産後の精神不安、腰痛、便秘、高血圧の随伴症状(頭痛、めまい、肩こり)、痔疾、打撲症に適すとされ、構成生薬としてダイオウを含む。
d 五積散(ごしゃくさん)は、体力中等度又はやや虚弱で、冷えがあるものの胃腸炎、腰痛、神経痛、関節痛、月経痛、頭痛、更年期障害、感冒に適すとされ、構成生薬としてマオウを含む。
a b c d
1 正 正 誤 誤
2 正 誤 正 正
3 誤 正 誤 誤
4 誤 正 正 正
5 誤 誤 正 誤
正答
a b c d
1 正 正 誤 誤 あなたの解答
2 正 誤 正 正 あなたの解答
3 誤 正 誤 誤 あなたの解答
4 誤 正 正 正 あなたの解答 正答
5 誤 誤 正 誤 あなたの解答
解説
×a 誤り。エチニルエストラジオールは女性ホルモンの補充のために用いられるが、妊婦への使用は避ける。胎児の先天性異常の発生が報告されているため、妊婦または妊娠していると思われる女性では、女性ホルモン成分を含む医薬品の使用を避ける必要がある。
◯b 正しい。
◯c 正しい。
◯d 正しい。
基本事項
漢方処方製剤
・漢方処方製剤は、婦人薬として多くの種類が用いられる。それぞれの薬の特徴を把握しておこう。なお、これらのうち、温経湯、加味逍遙散、五積散、柴胡桂枝乾姜湯、桃核承気湯は構成生薬としてカンゾウを含む。

女性ホルモン成分(エチニルエストラジオール)
・女性ホルモン成分を補充する成分として、人工的に合成された女性ホルモンの一種であるエチニルエストラジオールは、エストラジオール(女性ホルモンの一種)を補充するものである。それぞれ適用部位から吸収され、循環血液中に移行する。
・女性ホルモン成分の使用にあたっては、注意すべき点がある。十分確認しておこう。
▼ 女性ホルモン成分の使用を避けるべき人と注意点

閉経と更年期障害
・加齢とともに卵巣からの女性ホルモンの分泌が減少していき、やがて月経が停止して、妊娠可能な期間が終了することを閉経という。
・閉経の前後には、更年期(閉経周辺期)と呼ばれる移行的な時期があり、体内の女性ホルモンの量が大きく変動することがある。

・更年期においては、月経周期が不規則になるほか、不定愁訴【語句解説】として血の道症の症状に加え、冷え症、腰痛、頭痛、頭重、ほてり、のぼせ、立ちくらみ等の症状が起こることがある。こうした症候群を更年期障害という。

【語句解説】不定愁訴
・体のどの部位が悪いのかはっきりしない訴えで、全身の倦怠(けんたい)感や疲労感、微熱感などを特徴とする。更年期障害のほか、自律神経失調症等の心身症の症状として現れることが多い。
月経痛や月経不順、おりものの状態によっては病院へ
・内服で用いられる婦人薬は、比較的作用が穏やかで、ある程度長期間使用することによって効果が得られるとされる。効果の現れ方は、症状や使用する人の体質、体の状態等により異なるが、効果がみられないのに漫然と使用を継続することは適当でない。状況によっては、病院などの医療機関を受診すべきである。

その他に配合される生薬
・婦人薬には、以下の生薬が用いられることもある。詳細はリンク先で確認しておこう。
▼ 鎮痛・鎮痙作用を期待して配合されるもの [リンク挿入 シャクヤク] [リンク挿入 ボタンピ]
▼ 鎮静作用を期待して配合されるもの [リンク挿入 サンソウニン] [リンク挿入 カノコソウ]
▼ 抗炎症作用を期待して配合されるもの [リンク挿入 カンゾウ]
▼ 胃腸症状に対する効果を期待して配合されるもの [リンク挿入 オウレン] [リンク挿入 ソウジュツ] [リンク挿入 ビャクジュツ] [リンク挿入 ダイオウ]
▼ 利尿作用を期待して配合されるもの [リンク挿入 モクツウ] [リンク挿入 ブクリョウ]
血の道症
・血の道症とは、臓器・組織の形態的異常がなく、抑鬱(よくうつ)や寝つきが悪くなる、神経質、集中力の低下等の精神神経症状が現れる病態である。
・血の道症は、月経、妊娠、分娩(ぶんべん)、産褥(さんじょく。分娩後、母体が通常の身体状態に回復するまでの期間)、更年期等の生理現象や、流産、人工妊娠中絶、避妊手術などを原因とする異常生理によって起こるとされ、範囲が更年期障害よりも広く、年齢的に必ずしも更年期に限らない。

代表的な配合成分等、主な副作用
・婦人薬には、女性ホルモン成分や生薬、ビタミンを中心に配合される。詳細は各項目で説明する。
▼ 婦人薬の主な配合成分

不定愁訴の原因に注意
・頭痛や鬱状態、動悸(どうき)・息切れ等の更年期障害の不定愁訴とされる症状の背景に、原因となる病気が存在する可能性もある。更年期は様々な病気が起こりやすい年齢でもあり、そのような原因が見いだされた場合には、その治療が優先される必要がある。

・医薬品の販売等に従事する専門家においては、購入者等に対して、一般用医薬品の使用による対処は一時的なものに止め、症状が継続するようであれば医療機関を受診するよう促していくことが重要である。
月経の概要
・女性の月経は、子宮の内壁を覆っている膜(子宮内膜)が剥(はが)れ落ち、血液(経血)と共に排出される生理現象で、一生のうち妊娠可能な期間に、妊娠期間中などを除き、ほぼ毎月、周期的に起こる。

月経前症候群
・血の道症のうち、月経の約10〜3日前に現れ、月経開始と共に消失する腹部膨満感、頭痛、乳房痛などの身体症状や感情の不安定、抑うつなどの精神症状を主体とするものを、月経前症候群という。

出典: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」に準拠。