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GL339

1 漢方処方製剤

漢方医学の概要

・古来に中国から伝わり、日本において発展してきた日本の伝統医学が漢方医学であり、後ほど西洋から日本に入ってきた蘭方(西洋医学)と区別するためにこの名前がつけられた。

漢方処方製剤の特徴

・漢方薬は、漢方医学で用いる薬剤全体を概念的に広く表現する時に用いる言葉で,漢方医学の考え方に沿うように、基本的に生薬を組み合わせて構成された漢方処方に基づく漢方処方製剤(漢方方剤)として存在する。

・漢方処方は、処方全体としての適用性等、その性質からみて処方自体が一つの有効成分として独立したものという見方をすべきものである。

・漢方薬は、使用する人の体質や症状その他の状態に適した処方を既成の処方の中から選択して用いられる。

漢方薬の定義

漢方処方製剤の特徴

漢方薬と中薬、韓方薬

・漢方薬と中薬、韓方薬、生薬製剤は、それぞれ異なる薬剤である。それぞれの定義を確認しておこう。

漢方薬と中薬、韓方薬、生薬製剤の違い

漢方薬と中薬、韓方薬

漢方処方製剤の剤形

・現代では、漢方処方製剤の多くは、処方に基づく生薬混合物の浸出液を濃縮して調製された乾燥エキス製剤を散剤等に加工して市販されているが、軟エキス剤、伝統的な煎剤用の刻み生薬の混合物、処方に基づいて調製された丸剤等も存在する。

漢方処方製剤の剤形

漢方の病態認識(証。しばり)

・漢方薬を使用する場合、漢方独自の病態認識である「証」に基づいて用いることが、有効性及び安全性を確保するために重要である。漢方の病態認識には虚実、陰陽、気血水、五臓などがある。

漢方の病態認識(証。しばり)

・一般用に用いることが出来る漢方処方は、現在300処方程度であるが、平成20年の厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知により、医薬品の効能効果の表現に、この「証」の考え方を盛り込んだ見直しが行われた。この見直しでは、一般用であることを考慮して、「証」という漢方の専門用語を使用することを避け、「しばり」(使用制限)として記載が行われている。

「虚実」の概念

・個々の漢方処方の適応病態は虚実という尺度で見ると、裾野(すその)を広げた山のような形をしており、しかも裾野の狭いものや広いものがある。

「虚実」の概念

「陰陽」の概念

・陰陽の概念で、「陽」の病態を適応とするものは「のぼせぎみで顔色が赤く」などの熱症状として表現され、また「陰」の病態は「疲れやすく冷えやすいものの」などの寒性の症状を示す表現で示されている。

「陰陽」の概念

「五臓」の概念

・五臓の病態は、漢方で言う「脾胃(ひい)虚弱」の病態が適応となるものには「胃腸虚弱で」と記されており、「肝陽上亢」のような肝の失調状態が適応となるものには「いらいらして落ち着きのないもの」など表現されている。

「五臓」の概念

「気血水」の概念

・気血水については、「口渇があり、尿量が減少するもの」(水毒)、「皮膚の色つやが悪く」(血虚)などの表現を用いて適宜「しばり」に組み入れられている。

「気血水」の概念

「証」に合った処方が重要

・漢方処方製剤を利用する場合、患者の「証」に合った漢方処方が選択されれば効果が期待できるが、合わないものが選択された場合には、効果が得られないばかりでなく、副作用を生じやすくなる。

・そのため、それぞれの製剤について、その効能効果の欄に記載されている「証」の概念を良く理解し、漢方薬が使用される人の体質と症状を十分に踏まえ、処方が選択されることが重要となる。

・従って、一般の生活者が一般用医薬品として漢方薬を購入する際には、漢方処方製剤を使用しようとする人の「証」(体質及び症状)を理解し、その「証」にあった漢方処方を選択することが出来るよう、医薬品の販売等に従事する専門家が助言を行い、漢方処方製剤の適正使用を促していくことが重要である。

漢方処方製剤の副作用

・一般の生活者においては、「漢方薬はすべからく作用が穏やかで、副作用が少ない」などという誤った認識がなされていることがあり、副作用を看過する要因となりやすい。しかし、漢方処方製剤においても、間質性肺炎や肝機能障害のような重篤な副作用が起きることがあり、また、証に適さない漢方処方製剤が使用されたために、症状の悪化や副作用を引き起こす場合もある。

漢方処方製剤の副作用

漢方処方製剤使用の注意

・漢方処方製剤の使用にあたっては、「生後3カ月未満の乳児には使用しない」など、注意すべきポイントがある。

漢方処方製剤使用の注意

温経湯(うんけいとう)

温経湯(うんけいとう)

温清飲(うんせいいん)

温清飲(うんせいいん)

加味逍遙散(かみしょうようさん)

加味逍遙散(かみしょうようさん)

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

五積散(ごしゃくさん)

五積散(ごしゃくさん)

柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)

柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)

四物湯(しもつとう)

四物湯(しもつとう)

桃核承気湯(とうかくじょうきとう)

桃核承気湯(とうかくじょうきとう)

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

葛根湯(かっこんとう)

葛根湯(かっこんとう)

麻黄湯(まおうとう)

麻黄湯(まおうとう)

小柴胡湯(しょうさいことう)

小柴胡湯(しょうさいことう)

柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)

柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)

桂枝湯(けいしとう)、香蘇散(こうそさん)

桂枝湯(けいしとう)、香蘇散(こうそさん)

小青竜湯(しょうせいりゅうとう)

小青竜湯(しょうせいりゅうとう)

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)

麦門冬湯(ばくもんどうとう)

麦門冬湯(ばくもんどうとう)

芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)

芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)

桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)、桂枝加苓朮附湯(けいしかりょうじゅつぶとう)

桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)、桂枝加苓朮附湯(けいしかりょうじゅつぶとう)

薏苡仁湯(よくいにんとう)

薏苡仁湯(よくいにんとう)

麻杏薏甘湯(まきょうよくかんとう)

麻杏薏甘湯(まきょうよくかんとう)

疎経活血湯(そけいかっけつとう)

疎経活血湯(そけいかっけつとう)

当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)

当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)

釣藤散(ちょうとうさん)

釣藤散(ちょうとうさん)

呉茱萸湯(ごしゅゆとう)

呉茱萸湯(ごしゅゆとう)

酸棗仁湯(さんそうにんとう)

酸棗仁湯(さんそうにんとう)

加味帰脾湯(かみきひとう)

加味帰脾湯(かみきひとう)

抑肝散(よくかんさん)、抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)

抑肝散(よくかんさん)、抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)

柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)

桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)

小建中湯(しょうけんちゅうとう)

小建中湯(しょうけんちゅうとう)

柴朴湯(さいぼくとう)

柴朴湯(さいぼくとう)

五虎湯(ごことう)

五虎湯(ごことう)

麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)

麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)

神秘湯(しんぴとう)

神秘湯(しんぴとう)

桔梗湯(ききょうとう)

桔梗湯(ききょうとう)

駆風解毒(くふうげどく)散、駆風解毒湯

駆風解毒(くふうげどく)散、駆風解毒湯

白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)

白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)

響声破笛丸(きょうせいはてきがん)

響声破笛丸(きょうせいはてきがん)

安中散(あんちゅうさん)

安中散(あんちゅうさん)

人参湯(理中丸)

人参湯(理中丸)

平胃散(へいいさん)

平胃散(へいいさん)

六君子湯(りっくんしとう)

六君子湯(りっくんしとう)

桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)

桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)

大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)

大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)

大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)

大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)

麻子仁丸(ましにんがん)

麻子仁丸(ましにんがん)

苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)

苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)

三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)

三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)

七物降下湯(しちもつこうかとう)

七物降下湯(しちもつこうかとう)

乙字湯(おつじとう)

乙字湯(おつじとう)

芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)

芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)

牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)

牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)

八味地黄丸(はちみじおうがん)

八味地黄丸(はちみじおうがん)

六味丸(ろくみがん)

六味丸(ろくみがん)

猪苓湯(ちょれいとう)

猪苓湯(ちょれいとう)

竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)

竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)

茵蔯蒿湯(いんちんこうとう)

茵蔯蒿湯(いんちんこうとう)

十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)

十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)

消風散(しょうふうさん)

消風散(しょうふうさん)

当帰飲子(とうきいんし)

当帰飲子(とうきいんし)

葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)

葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)

荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)

荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)

辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)

辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)

紫雲膏(しうんこう)

紫雲膏(しうんこう)

中黄膏(ちゅうおうこう)

中黄膏(ちゅうおうこう)

十全大補湯(じゅうぜんほたいとう)

十全大補湯(じゅうぜんほたいとう)

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

黄連解毒湯(おうれんげどくとう)

黄連解毒湯(おうれんげどくとう)

防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)

防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)

大柴胡湯(だいさいことう)

大柴胡湯(だいさいことう)

清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)

清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)

相互作用

・漢方処方製剤は、それ自体に配合されている生薬成分と、他の医薬品や食品に含まれている生薬とを重複して摂取する可能性があるので、相互作用に注意する必要がある。

相互作用

受診勧奨

・漢方処方製剤を一定期間または一定回数使用しても症状が改善しない場合、使用を中止して必要に応じて医療機関を受診すべきである。

受診勧奨