眼科用薬
目の不調と眼科用薬のはたらき
・眼の不調は、一般的に自覚されるものとして、目の疲れやかすみ、痒(かゆ)みなどがある。
・眼科用薬は、これらの症状の緩和を目的として、結膜嚢(のう)(結膜で覆われた眼瞼(がんけん。まぶた)の内側と眼球の間の空間)に適用する外用薬である。
眼下用薬の作用部位
眼科用薬の分類
・眼科用薬は、点眼薬、洗眼薬、コンタクトレンズ装着液に大別できる。
※コンタクトレンズ装着液については、配合成分としてあらかじめ定められた以下の範囲内の成分のみを含む等の基準に当てはまる製品について、医薬部外品として認められる。
アスパラギン酸カリウム
アミノエチルスルホン酸
塩化ナトリウム
ヒドロキシプロピルメチルセルロース
ポリビニルアルコール
ポリビニルピロリドン
点眼薬の分類
・一般用医薬品の点眼薬は、その主たる配合成分から以下の4つに分類される。
洗眼薬
・洗眼薬は、目の洗浄、眼病予防(水泳のあとや、埃(ほこり)や汗が目に入ったとき等)に用いられる。
・主な配合成分として涙液成分のほか、抗炎症成分、抗ヒスタミン成分などが用いられる。
眼科用薬に配合される成分
・ひと口に「眼科用薬」といってもその目的は様々であり、たとえば、疲れ目を改善する薬があれば、目のかゆみを抑えることを目的とするものもある。眼科用薬には、以下挙げる成分が目的に応じて配合されている。詳細は各項目で説明する。
目の調節機能とアセチルコリン、コリンエステラーゼの関係
・目は、アセチルコリンの作用により調節がスムーズにできていると考えられる。目を酷使すると、目の調節機能が低下する。
※2022年の「試験作成の手引き」改定によりコリンエステラーゼの説明は削除されたが、それだけでは分かりにくいため、上記の説明では便宜的に残している。
ネオスチグミンメチル硫酸塩
・ネオスチグミンメチル硫酸塩は、コリンエステラーゼのはたらきを抑えることで、毛様体におけるアセチルコリンのはたらきを助ける成分である。
2)目の充血、炎症を抑える配合成分
・目の充血、炎症を抑える配合成分には様々なものがあるが、タイプとしては以下の4種類に分類される。詳しく見ていこう。
アドレナリン作動成分の注意点
緑内障の人への使用は事前に適否を確認する
・緑内障と診断された人では、眼圧の上昇をまねき、緑内障を悪化させたり、その治療を妨げるおそれがあるため、使用前にその適否につき、治療を行っている医師または治療薬の調剤を行った薬剤師に相談がなされるべきである。
連用や頻回の使用に注意
・連用または頻回に使用すると、異常なまぶしさを感じたり、かえって充血を招くことがある。
充血が長引く場合は専門家に相談を
・長引く目の充血症状は、目以外の異変を含む、重大な疾患による可能性も考えられるため、5〜6日間使用して症状の改善がみられない場合には、漫然と使用を継続することなく、医療機関(眼科)を受診する必要性を含め、専門家に相談がなされるべきである。
抗炎症成分の注意点
リゾチーム塩酸塩とショック(アナフィラキシー)
・リゾチーム塩酸塩については、点眼薬の配合成分として使用された場合であっても、まれにショック(アナフィラキシー)のような全身性の重大な副作用を生じることがある。
・リゾチーム塩酸塩が配合された医薬品や鶏卵によるアレルギー症状を起こしたことがある人では、使用を避ける必要がある。
3)目の乾きを改善する配合成分
・角膜の乾燥を防ぐことを目的として、以下の成分が配合されることがある。
4)目のかゆみを抑える配合成分
・アレルギーによる目の痒(かゆ)みの発生には、生体内の伝達物質であるヒスタミンが関与している。
・また、結膜に炎症を生じたような場合も、眼粘膜が刺激に対して敏感になり、肥満細胞からヒスタミンが遊離してかゆみの症状を生じやすくなる。
・目のかゆみを抑える配合成分としては、抗ヒスタミン成分を中心としつつ、抗アレルギー成分も用いられることが多い。以下の内容をおさえておこう。
5)抗菌作用を有する配合成分(サルファ剤、ホウ酸)
・抗菌作用を有する配合成分として、サルファ剤とホウ酸が用いられる。
6)その他の配合成分と配合目的
・その他の配合成分として、無機塩類やアミノ酸類、ビタミン成分が用いられる。種類が多いので各項目をよく確認しておこう。
a 無機塩類
・涙液の主成分であるナトリウムやカリウムを補うため、以下の成分が用いられる。
塩化カリウム
塩化カルシウム
塩化ナトリウム
硫酸マグネシウム
リン酸水素ナトリウム
リン酸二水素カリウム
b ビタミン成分
・ビタミンは、種類によって期待される効果も様々である。眼科用薬で用いられるビタミンとして、以下の6つをおさえておこう。
c アミノ酸成分
・新陳代謝を促し、目の疲れを改善する効果を期待して、アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム等が配合される。
①点眼方法の注意
・点眼の際には、以下の4つのポイントに気をつけよう。
②保管及び取扱い上の注意
・点眼用薬の使用にあたっては、他の人の点眼薬を使用しないことや、使用期限について気をつけておく必要がある。
③コンタクトレンズ使用時の点眼法
・コンタクトレンズの装着時には、「使用可能」と記載されていない限り、レンズをつけたまま眼科用薬を使用すべきではない。
眼科用薬に共通する主な副作用
・眼科用薬は、目にかかわる副作用だけでなく、全身性の副作用の原因となる可能性もある。
相互作用
・医師から処方された点眼薬を使用している人は、一般用医薬品の点眼薬を使用する際に併用に注意する必要がある。
一般用医薬品の点眼薬では緑内障は改善できない
・一般用医薬品の点眼薬には、緑内障の症状を改善できるものはない。
目の痛みが激しい場合や、症状によっては受診を勧める
・目の痛みが激しい場合には、急性緑内障、角膜潰瘍(かいよう)、眼球への外傷等を生じている可能性がある。その場合、すみやかに眼科専門医による適切な処置が施されなければ、視力障害等の後遺症を生じるおそれがある。
・目の症状には、視力の異常、目(眼球、眼瞼(がんけん)等)の外観の変化、目の感覚の変化等がある。これらの症状が現れた時、目そのものが原因であることが多いが、目以外の病気による可能性もあり、特に脳が原因であることが多く知られている。
・医薬品の販売等に従事する専門家においては、購入者等に対して、目に何らかの異常が現れたときには医療機関を受診し、専門医の診療を受けるように促すべきである。