問題を解く
GL317

1 痔の薬

痔の発症

・痔(じ)は、肛門付近の血管がうっ血し、肛門に負担がかかることによって生じる肛門の病気の総称で、その主な病態としては、痔核(じかく)、裂肛(れっこう)、痔瘻(じろう)がある。

痔の発症

痔核(いぼ痔)

・痔核(いぼ痔)は、肛門に存在する細かい血管群が部分的に拡張し、肛門内にいぼ状の腫れが生じた状態である。内痔核と外痔核に分けられる。

痔核(いぼ痔)

・便秘や長時間同じ姿勢でいるなど、肛門部に過度の圧迫をかけることが、痔核を生じる主な要因とされる。

裂肛(切れ痔、裂け痔)

・裂肛(れっこう。切れ痔、裂け痔)は、肛門の出口からやや内側の上皮に傷が生じた状態である。

裂肛(切れ痔、裂け痔)

・裂肛は、便秘等により硬くなった糞便を排泄する際や、下痢の便に含まれる多量の水分が肛門の粘膜に浸透して炎症を起こしやすくなった状態で、勢いよく便が通過する際に粘膜が傷つけられることで生じる。

痔瘻(じろう)

・痔瘻は、肛門内部の肛門腺窩(せんか)という小さなくぼみの部分に糞便の滓(かす)が溜まって炎症・化膿(かのう)を生じた状態である。

・体力低下等により抵抗力が弱まっているときに起こりやすい。

痔瘻(じろう)

痔の予防

・痔の予防には、血行を良くすることや、食物繊維の摂取、香辛料などを避けることが効果的である。

痔の予防

痔疾用薬の分類

・一般用医薬品の痔疾用薬には、肛門部または直腸内に適用する外用薬(外用痔疾用薬)と内服して使用する内用薬(内用痔疾用薬)がある。

痔疾用薬の分類

・いずれもその使用と併せて、痔を生じた要因となっている生活習慣の改善等を図ることが重要である。

外用痔(じ)疾用薬

・外用痔疾用薬は、痔核(いぼ痔)または裂肛(切れ痔)による痛み、かゆみ、腫れ、出血等の緩和、患部の消毒を目的とする坐剤(ざざい)、軟膏剤(注入軟膏を含む。)または外用液剤である。

・外用痔疾用薬に配合される成分は以下の8つに大別される。詳細は各項目で説明する。

外用痔(じ)疾用薬

・外用痔疾用薬は局所に適用されるものであるが、坐剤及び注入軟膏では、成分の一部が直腸粘膜から吸収されて循環血流中に入りやすく、全身的な影響を生じることがあるため、配合成分によっては注意を要する場合がある。

a 局所麻酔成分

・局所麻酔成分は、皮膚や粘膜などの局所に適用されると、その周辺の知覚神経に作用して、刺激伝導を可逆的に遮断(しゃだん)する作用を示す。痔に伴う痛み、かゆみを和らげることを目的として、以下の局所麻酔成分が用いられる。

a 局所麻酔成分

・リドカイン、リドカイン塩酸塩、アミノ安息香酸エチル、ジブカイン塩酸塩が配合された坐剤(ざざい)および注入軟膏では、まれに重篤な副作用としてショック(アナフィラキシー)を生じることがある。

b 鎮痒成分

・かゆみを抑える鎮痒(ちんよう)成分は、抗ヒスタミン成分と局所刺激成分の二つに大別される。

b 鎮痒成分

c 抗炎症成分

・抗炎症成分は、ステロイド性抗炎症成分と、非ステロイド性抗炎症成分(グリチルレチン酸)に大別される。

c 抗炎症成分

d 組織修復成分

・痔による肛門部の創傷治癒を促す効果を期待して、アラントイン、アルミニウムクロルヒドロキシアラントイネート(別名アルクロキサ)のような組織修復成分が用いられる。

e 止血成分

・止血成分としては、アドレナリン作動成分と収斂(しゅうれん)保護止血成分が配合される。特徴が異なることをしっかり把握しておきたい。

e 止血成分

f 殺菌消毒成分

・痔疾患に伴う局所の感染を防止することを目的として、以下の殺菌消毒成分が配合される。

クロルヘキシジン塩酸塩

セチルピリジニウム塩化物

ベンザルコニウム塩化物

デカリニウム塩化物

イソプロピルメチルフェノール

h ビタミン成分

・肛門周囲の末梢血管の血行を改善する作用を期待してビタミンE(トコフェロール酢酸エステル)、傷の治りを促す作用を期待してビタミンA油が配合される。

内用痔疾用薬

・内用痔(じ)疾用薬は、比較的緩和な抗炎症作用、血行改善作用を目的とする成分のほか、瀉下(しゃげ)・整腸成分等が配合されたもので、外用痔疾用薬と併せて用いると効果的なものである。

・内用痔(じ)疾用薬は、生薬成分を中心に、以下のような成分を組み合わせて配合されている。

内用痔疾用薬

b 抗炎症成分

・リゾチーム塩酸塩などの抗炎症成分が配合されている場合がある。

c 止血成分

・止血効果を期待して配合される成分として、カルバゾクロムがある。毛細血管を補強、強化して出血を抑えるはたらきがあるとされる。

d ビタミン成分(ビタミンE)

・肛門周囲の末梢血管の血行を促して、うっ血を改善する作用を期待して、ビタミンE(トコフェロール酢酸エステル、トコフェロールコハク酸エステル等)が配合される。

相互作用

相互作用

受診勧奨

・痔(じ)は、肛門付近の血管がうっ血し、肛門に負担がかかることによって生じる肛門の病気の総称で、その主な病態としては、痔核(じかく)、裂肛(れっこう)、痔瘻(じろう)がある。

受診勧奨