問題を解く
GL308

2 口腔咽喉薬、うがい薬(含嗽薬(がんそうやく))

口腔と咽喉の位置

・そもそも口腔(こうくう)は、口から喉(のど)までの部分を指す。また、咽喉(いんこう)は、口腔よりも奥の部分にある、咽頭(いんとう)と喉頭(こうとう)を合わせた言葉である。

口腔と咽喉の位置

口腔咽喉薬

・口腔咽喉(こうくういんこう)薬は、口腔内または咽頭部の粘膜に局所的に作用して、それらの部位の炎症による痛み、腫れ等の症状の緩和を主たる目的とするものである。

口腔咽喉薬

・トローチ剤やドロップ剤、口腔内に噴霧または塗布して使用する外用液剤が用いられる。

口腔咽喉薬

口腔咽頭薬に配合されるもの/されないもの

・口腔咽頭薬には殺菌消毒成分が配合され、口腔や咽頭の殺菌・消毒等を目的とする製品もある。

・鎮咳(ちんがい)成分や気管支拡張成分、去痰(きょたん)成分は配合されていない。これらの成分が配合されている場合には、鎮咳去痰薬に分類される。

口腔咽頭薬に配合されるもの/されないもの

含嗽薬

・含嗽薬(がんそうやく)は、口腔及び咽頭の殺菌・消毒・洗浄、口臭の除去等を目的とする外用液剤である。

・用時水に希釈または溶解してうがいに用いる、又は患部に塗布した後、水でうがいする。

含嗽薬

・含嗽薬には、ほかに胸部や喉の部分に適用することにより、有効成分が体温により温められて揮散し、吸入されることで鼻づまりやくしゃみ等のかぜに伴う諸症状の緩和を目的とする外用剤(塗り薬または貼り薬)があるが、現在のところ、医薬品となっている製品はなく、いずれも医薬部外品(鼻づまり改善薬)として製造販売されている。

1)代表的な配合成分等、主な副作用

・一般用医薬品の口腔咽喉(こうくういんこう)薬や含嗽薬(がんそうやく)に配合される主な成分は以下の通り。詳細は各項目で説明する。

1)代表的な配合成分等、主な副作用

医薬部外品に分類される口腔咽喉薬、含嗽薬

・以下の条件に当てはまる口腔咽喉(こうくういんこう)薬、含嗽(がんそう)薬は、医薬部外品として扱われている。

有効成分が「生薬成分」「グリチルリチン酸二カリウム」「セチルピリジニウム塩化物」等のみからなる製品で、効能・効果が「痰(たん)、喉の炎症による声がれ、喉の荒れ、喉の不快感、喉の痛み、喉の腫れ、口腔内や喉の殺菌・消毒・洗浄または口臭の除去」の範囲に限られるもの。

a 炎症を和らげる成分(抗炎症成分)

・炎症を和らげる成分として、抗炎症成分(リゾチーム塩酸塩、グリチルリチン酸二カリウム、トラネキサム酸)と、炎症部位の修復成分(アズレンスルホン酸ナトリウム)が用いられる。それぞれの特徴を確認しておこう。

a 炎症を和らげる成分(抗炎症成分)

b 殺菌消毒成分

・殺菌消毒成分は、口腔内や喉に付着した細菌等の微生物を死滅させたり、その増殖を抑えることを目的として用いられる。成分の種類は多く、成分によって注意すべき点も異なる。

b 殺菌消毒成分

ショック(アナフィラキシー)

・ヨウ素系殺菌消毒成分またはクロルヘキシジングルコン酸塩が配合されたものでは、まれにショック(アナフィラキシー)のような全身性の重篤な副作用を生じることがある。これらの成分に対するアレルギーの既往歴がある人では、使用を避ける必要がある。

ヨウ素系殺菌消毒成分と甲状腺ホルモン

・ヨウ素系殺菌消毒成分が口腔内に使用される場合、結果的にヨウ素の摂取につながり、甲状腺におけるホルモン産生に影響を及ぼす可能性がある。甲状腺の役割とヨウ素との関係については以下参照。

ヨウ素系殺菌消毒成分と甲状腺ホルモン

バセドウ病、橋本病の人はヨウ素系殺菌消毒成分の使用に注意

・バセドウ病や橋本病などの甲状腺疾患の診断を受けた人では、その治療に悪影響(治療薬の効果減弱など)を生じるおそれがあるため、ヨウ素系殺菌消毒成分を使用する前にその適否につき、治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に相談がなされるべきである。

バセドウ病、橋本病の人はヨウ素系殺菌消毒成分の使用に注意

ヨウ素系殺菌消毒成分のその他の副作用

・ヨウ素系殺菌消毒成分は、胎児や乳児への影響が懸念されるほか、銀の変色などにも気をつけたい。まとめて確認しておこう。

ヨウ素系殺菌消毒成分のその他の副作用

c 局所保護成分(グリセリン)

・喉の粘膜を刺激から保護する成分として、グリセリンが配合されている場合がある。

・日本薬局方収載の複方ヨード・グリセリンは、グリセリンにヨウ化カリウム、ヨウ素、ハッカ水、液状フェノール等を加えたもので、喉の患部に塗布して殺菌・消毒に用いられる。

d 抗ヒスタミン成分

・咽頭の粘膜に付着したアレルゲンによる喉の不快感等の症状を鎮めることを目的として、口腔咽喉薬にクロルフェニラミンマレイン酸塩のような抗ヒスタミン成分が配合されている場合がある。

d 抗ヒスタミン成分

e 生薬成分

・口腔咽喉(こうくういんこう)薬、含嗽薬(がんそうやく)に配合される生薬成分として、以下の6つが挙げられる。

e 生薬成分

口腔咽喉薬・含嗽薬に関する一般的な注意事項

・口腔咽喉薬、含嗽薬は、口腔内や咽頭における局所的な作用を目的とする医薬品であるが、成分の一部が口腔や咽頭の粘膜から吸収されて循環血流中に入りやすく、全身的な影響を生じることがあるため、配合成分によっては注意を要する場合がある。

・特に、口内炎などにより口腔内にひどいただれがある人では、刺激感等が現れやすいほか、循環血流中への移行による全身的な影響も生じやすくなる。

含嗽薬使用時の注意

・含嗽薬(がんそうやく)は、水で用時希釈または溶解して使用するものが多いが、調製した濃度が濃すぎても薄すぎても効果が十分得られない。

・一般的に、薬液を10〜20mL程度口に含み、顔を上向きにして咽頭の奥まで薬液が行き渡るようにガラガラを繰り返してから吐き出し、それを数回繰り返すのが効果的なうがいの仕方とされる。

含嗽薬使用時の注意

・含嗽薬の使用後すぐに食事を摂ると、殺菌消毒効果が薄れやすいので、避けるべきである。

受診勧奨

・飲食物を飲み込むときに激しい痛みを感じるような場合には、扁桃蜂巣炎(へんとうほうそうえん。扁桃の回りの組織が細菌の感染により炎症を起こした状態)や扁桃膿瘍(へんとうのうよう。扁桃の部分に膿(う)みが溜まった状態)などを生じている可能性もあり、早期に医師の診療を受けるなどの対応が必要である。

・声がれ、喉の荒れ、喉の不快感、喉の痛み等の症状は、かぜの症状の一部として起こることが多く、通常であれば、かぜの寛解とともに治まる。喉を酷使していないにもかかわらず症状が数週間以上続く場合には、喉頭癌等の重大な疾患が原因となっている可能性もあるので、医師の診療を受けるなどの対応が必要である。