問題を解く
GL213

薬の体内での働き

薬の体内での働き

・循環血液中に移行した有効成分は、血流によって全身の組織・器官へ運ばれて作用するが、多くの場合、標的となる細胞に存在する受容体、酵素、トランスポーターなどのタンパク質と結合し、その機能を変化させることで薬効や副作用を現す。

・そのため、医薬品が効果を発揮するためには、有効成分がその作用の対象である器官や組織の細胞外液中あるいは細胞内液(細胞質という)中に、一定以上の濃度で分布する必要がある。これらの濃度に強く関連するのが血中濃度である。

医薬品成分の血中濃度

・医薬品が摂取された後、成分が吸収されるにつれてその血中濃度は上昇し、ある最小有効濃度(閾値(いきち))を超えたときに生体の反応としての薬効が現れる。血中濃度はある時点でピーク(最高血中濃度)に達し、その後は低下していくが、これは代謝・排泄(はいせつ)の速度が吸収・分布の速度を上回るためである。やがて、血中濃度が最小有効濃度を下回ると、薬効は消失する。

医薬品成分の血中濃度

医薬品成分の血中濃度

※「無効域」という言葉は2022年の手引き更新により削除されましたが、過去問では出題されたことがあるため当面は残します。今後は出題されないので「無効域」自体を覚える必要はありません。

・一度に大量の医薬品を摂取したり、十分な間隔をあけずに追加摂取したりして血中濃度を高くしても、ある濃度以上になるとより強い薬効は得られなくなり、薬効は頭打ちとなるが、一方、有害な作用(副作用や毒性)は現れやすくなる。

・全身作用を目的とする医薬品の多くは、使用後の一定期間、その有効成分の血中濃度が、無効域と毒性が現れる濃度域(危険域、中毒域)の間の範囲に維持されるよう、使用量および使用間隔が定められている。なお、この設定には年齢や体格等による個人差も考慮されている。

【語句解説】血中濃度の目安

・器官や組織中に存在する医薬品成分の量を直接調べることは容易でないため、通常、血液中の濃度(血中濃度)を目安としている。