問題を解く
GL211

4 脳や神経系の働き

中枢神経系と末梢神経系

・体内の情報伝達の大半を担う組織として、神経細胞が連なった神経系がある。神経細胞の細胞体から伸びる細長い突起(軸索)を神経線維という。

・身体の個々の組織は刺激によって反射的に動くことができるが、実際の人間の身体は個々の部位が単独で動いているものではなく総合的に制御されており、このような制御する部分を「中枢」といい、一方、中枢によって制御される部分を「末梢」と呼ぶ。

中枢神経系と末梢神経系

・神経系もその働きにより、中枢神経系と末梢神経系とに大別される。

中枢神経系

・中枢神経系は、脳と脊髄(せきずい)から構成される。

脳の役割

・脳は、頭の上部から下後方部にあり、知覚、運動、記憶、情動、意思決定等の働きを行っている。脳の下部には、自律神経系、ホルモン分泌等の様々な調節機能を担っている部位(視床下部など)がある。

脳の役割

・脳における細胞同士の複雑かつ活発な働きのため、脳において、血液の循環量は心拍出量の約15%、酸素の消費量は全身の約20%、ブドウ糖の消費量は全身の約25%と多い。

脳の役割

脳における物質透過の選択性

・脳内には多くの血管が通っているが、脳の血管は末梢に比べて物質の透過に関する選択性が高く、タンパク質などの大分子や、小分子でもイオン化した物質は血液中から脳の組織へ移行しにくい。このように、脳の毛細血管が中枢神経の間質液環境を血液内の組成変動から保護するように働く機能を血液脳関門という。小児では、血液脳関門が未発達であるため、循環血液中に移行した医薬品の成分が脳の組織に達しやすい。

脳における物質透過の選択性

延髄の役割

・脳は脊髄(せきずい)と、延髄(後頭部と頸部の境目あたりに位置する)でつながっている。延髄には、心拍数を調節する心臓中枢、呼吸を調節する呼吸中枢等がある。

・延髄は多くの生体の機能を制御する部位であるが、複雑な機能の場合はさらに上位の脳の働きによって制御されている。

延髄の役割

脊髄

・脊髄(せきずい)は脊椎(せきつい)の中にあり、脳と末梢の間で刺激を伝えるほか、末梢からの刺激の一部に対して脳を介さずに刺激を返す場合がある。これを脊髄反射と呼ぶ。

末梢神経系

・脳や脊髄から体の各部へと伸びている末梢神経系は、その機能に着目して、随意運動、知覚等を担う体性神経系と、消化管の運動や血液の循環等のように生命や身体機能の維持のため無意識に働いている機能を担う自律神経系に分類される。

末梢神経系

自律神経系の働き

・自律神経系は、交感神経系と副交感神経系からなる。おおむね、交感神経系は体が闘争や恐怖等の緊張状態に対応した態勢をとるように働き、副交感神経は体が食事や休憩等の安息状態となるように働く。

自律神経系の働き

交感神経系、副交感神経系のはたらき

・効果を及ぼす各臓器・器官(効果器)に対して、交感神経系と副交感神経系の二つの神経系が支配している(自律神経系の二重支配)。通常、交感神経系と副交感神経系は、互いに拮抗(きっこう)して働き、一方が活発になっているときには他方は活動を抑制して、効果器を制御している。

効果器に対する交感神経系/副交感神経系のはたらき

交感神経系、副交感神経系のはたらき

アドレナリン、ノルアドレナリン、アセチルコリンのはたらき

・効果器に伸びる自律神経は、節前線維と節後線維からできている。交感神経と副交感神経は、効果器でそれぞれの神経線維の末端から神経伝達物質と呼ばれる生体物質を放出し、効果器を作動させている。

アドレナリン、ノルアドレナリン、アセチルコリンのはたらき

・医薬品の成分が体内で薬効または副作用をもたらす際も、自律神経系への作用や影響が重要である。以下の分類をおさえておこう。

アドレナリン、ノルアドレナリン、アセチルコリンのはたらき