4)小児、高齢者等への配慮
小児、高齢者と医薬品の使用
・小児、高齢者等が医薬品を使用する場合においては、保健衛生上のリスク等に関して、成人と別に考える必要がある。
乳児、幼児、小児の定義
新生児、乳児、幼児、小児という場合には、おおよその目安として、次の年齢区分が用いられている。
参考:「医療用医薬品の添付文書等の記載要項の留意事項(平成29年6月8日付け薬生安発0608第1号厚生労働省医薬・生活衛生局安全対策課長通知別添)」
小児に医薬品を使用する場合の注意点
・小児は、医薬品を受けつける生理機能が未発達であるため、その使用に際して特に配慮が必要である。
・医薬品の販売に従事する専門家においては、小児に対して使用した場合に副作用等が発生する危険性が高まり、安全性の観点から小児への使用を避けることとされている医薬品の販売等に際しては、購入者等から状況を聞いて、想定される使用者の把握に努めるなど、積極的な情報収集と、それに基づく情報提供が重要となる。
・また、保護者等に対して、成人用の医薬品の量を減らして小児へ与えるような安易な使用は避け、必ず年齢に応じた用法用量が定められているものを使用するよう説明がなされることも重要である。
小児の使用に適さない医薬品の形状
・医薬品によっては、形状等が小児向けに作られていないため小児に対して使用しないことなどの注意を促している場合もある。
・乳児向けの用法用量が設定されている医薬品であっても、乳児は医薬品の影響を受けやすく、また、状態が急変しやすく、一般用医薬品の使用の適否が見極めにくいため、基本的には医師の診療を受けることが優先され、一般用医薬品による対処は最小限(夜間等、医師の診療を受けることが困難な場合)にとどめるのが望ましい。
緊急時の対応
・乳幼児は、容体の変化時に体調を正しく伝えにくいなどの特徴がある。乳幼児のポイントをよく把握し、適切な対応ができるようにしたい。
高齢者の定義
・登録販売者試験においては、おおよその目安として65歳以上を「高齢者」としている。
参考:「医療用医薬品の添付文書等の記載要項の留意事項(平成29年6月8日付け薬生安発0608第1号厚生労働省医薬・生活衛生局安全対策課長通知別添)」
高齢者の生理機能
・高齢者は、生理機能が衰えている可能性があり、個々人の状態に合わせた医薬品の選択が重要となる。高齢者の生理機能について十分把握しておこう。
高齢者のその他の特徴
・高齢者では、生理機能の衰え以外にも、持病の有無などが医薬品の使用に影響する。以下5つの点を抑えておこう。
妊婦又は妊娠していると思われる女性
・妊婦は、体の変調や不調を起こしやすいため、一般用医薬品を使用することにより、症状の緩和等を図ろうとする場合もあるが、その際には妊婦の状態を通じて胎児に影響を及ぼすことがないよう配慮する必要があり、そもそも一般用医薬品による対処が適当かどうかを含めて慎重に考慮されるべきである。
・ビタミンA含有製剤のように、妊娠前後の一定期間に通常の用量を超えて摂取すると胎児に先天異常を起こす危険性が高まるとされているものや、便秘薬のように、配合成分やその用量によっては流産や早産を誘発するおそれがあるものがある。
・このような医薬品については、十分注意して適正に使用するか、又は使用そのものを避ける必要があり、その販売等に際しては、購入者等から状況を聞いて、想定される使用者の把握に努めるなど、積極的な情報収集と、それに基づく情報提供がなされることが重要となる。
・なお、妊娠の有無やその可能性については、購入者等にとって他人に知られたくない場合もあることから、一般用医薬品の販売等において専門家が情報提供や相談対応を行う際には、十分に配慮することが必要である。
母乳を与える女性(授乳婦)
・授乳婦が使用した医薬品は、種類により成分の一部が乳汁中に移行することが知られており、母乳を介して乳児が医薬品の成分を摂取することになる場合がある。乳幼児に好ましくない影響が及ぶことが知られている医薬品については、授乳期間中の使用を避けるか、使用後しばらくの間は授乳を避けるべきである。
・吸収された医薬品の一部が乳汁中に移行することが知られていても、通常の使用の範囲では具体的な悪影響は判明していないものもあり、購入者等から相談があったときには、乳汁に移行する成分やその作用等について適切な説明がなされる必要がある。
医療機関で治療を受けている人等
・近年、生活習慣病等の慢性疾患を持ちながら日常生活を送る生活者が多くなっている。疾患の種類や程度によっては、一般用医薬品を使用することでその症状が悪化したり、治療が妨げられることもある。
・購入しようとする医薬品を使用することが想定される人が医療機関で治療を受けている場合には、疾患の程度やその医薬品の種類等に応じて、問題を生じるおそれがあれば使用を避けることができるよう情報提供がなされることが重要であり、必要に応じ、いわゆるお薬手帳を活用する必要がある。以下のケースについて確認しておこう。
・医療機関での治療は特に受けていない場合であっても、医薬品の種類や配合成分等によっては、特定の症状がある人が使用するとその症状を悪化させるおそれがある等、注意が必要なものがある。