2)不適正な使用と副作用
2種類の「不適正な使用」
・医薬品は、保健衛生上のリスクを伴うものであり、疾病の種類や症状等に応じて適切な医薬品が選択され、適正な使用がなされなければ、症状の悪化、副作用や事故等の好ましくない結果を招く危険性が高くなる。
・一般用医薬品の場合、その使用を判断する主体が一般の生活者であることから、その適正な使用を図っていく上で、販売時における専門家の関与が特に重要である。
・医薬品の不適正な使用は、概ね以下の2つに大別することができる。
a 使用する人の誤解や認識不足に起因する不適正な使用
・一般用医薬品は、購入者等の誤解や認識不足のために適正に使用されないことがある。以下に例を挙げる。
・このほか、人体に直接使用されない医薬品についても、使用する人の誤解や認識不足によって使い方や判断を誤り、副作用につながることがある。
・また、使用量は指示どおりであっても、便秘や不眠、頭痛など不快な症状が続くために、長期にわたり一般用医薬品をほぼ毎日連用(常習)する事例も見られる。便秘薬や総合感冒薬、解熱鎮痛薬などはその時の不快な症状を抑えるための医薬品であり、長期連用すれば、その症状を抑えていることで重篤な疾患の発見が遅れたり、肝臓や腎臓などの医薬品を代謝する器官を傷めたりする可能性もある。このほか、長期連用により精神的な依存が起こり、使用量が増え、購入するための経済的な負担も大きくなる例も見られる。
・このような誤解や認識不足による不適正な使用や、それに起因する副作用の発生の防止を図るには、医薬品の販売等に従事する専門家が、購入者等に対して、正しい情報を適切に伝えていくことが重要となる。
・購入者等が医薬品を使用する前に添付文書や製品表示を必ず読むなどの適切な行動がとられ、その適正な使用が図られるよう、購入者等の理解力や医薬品を使用する状況等に即して説明がなされるべきである。
b 医薬品を本来の目的以外の意図で使用する不適正な使用
・医薬品は、その目的とする効果に対して副作用が生じる危険性が最小限となるよう、使用する量や使い方が定められている。目的外の使用や乱用は避けなければならない。以下その理由を説明する。
・特に、青少年は、薬物乱用の危険性に関する認識や理解が必ずしも十分でなく、好奇心から身近に入手できる薬物を興味本位で乱用することがあるので、注意が必要である。
・適正な使用がなされる限りは安全かつ有効な医薬品であっても、乱用された場合には薬物依存【語句解説】を生じることがあり、一度、薬物依存が形成されると、そこから離脱することは容易ではない。
・医薬品の販売等に従事する専門家においては、必要以上の大量購入や頻回購入などを試みる不審な者には慎重に対処する必要があり、積極的に事情を尋ねたり、状況によっては販売を差し控えるなどの対応が図られることが望ましい。
【語句解説】薬物依存
・ある薬物の精神的な作用を体験するために、その薬物を連続的、あるいは周期的に摂取することへの強迫(欲求)を常に伴っている行動等によって特徴づけられる精神的・身体的な状態。なお、依存性とは、物質が有する依存を形成する性質のことであり、依存形成性ともいう。依存性が「強い・弱い」というのは、依存をより生じやすいかどうかを表したもの。
・習慣性とは、明確な依存を形成するほどではないものの、習慣的に使用することにつながりやすい性質をいう。